東良美季さんの「猫の神様」

一昨日来、朝起きると頭痛がする。いつもの片頭痛かと思っていたが、風邪のせいだった。昨夜は軽い頭痛にくわえて、のど・鼻に症状があらわれた。眠れぬまま、明け方に風邪薬をのんだ。多少効き目があったのか、なんとか頭痛だけは鎮まってくれた。

身体がだるく、何もする気がしないのを口実に、amazonから届いたばかりの東良美季著「猫の神様」(新潮社)を一気に読む。捨て猫の「ぎじゅ太」と「みャ太」との出会いから別れまでが描かれている。ネットで発表された文章をベースに、2匹の猫ちゃんとの交流を中心に再構築されたものだ。

私は猫にも犬にも興味のない人間である。嫌いというのではなく、生まれつき、ご縁がないとしか言いようがない。20歳くらいまでは家にも犬がいたが、女所帯のわが家では、ペットというより番犬の意味合いが大きかった。最後に飼った雑種のメリーは10年ほど一緒に暮らしていたから、亡くなったときはさすがに悲しかったが、散歩に連れて行ったり、頭をそっとなでたりするくらいで、抱っこするなんてことはとても出来なかった。今もペットをほしいという気は全く起こらない。

そんな私がこの本を手にしたのは、東良さんの文章の行間に流れる静けさに惹かれているからだ。猫好きの読者にとっては共感で涙されることも多いだろうが、私のような者にも、淡々と綴られる文章のなかに、身近な生あるものへの想いが伝わってくる。こちらが世話をしているようで、その実、その対象に生かされているという不思議。

新潮社の新刊案内には「孤独なライターとその小さな家族の物語」と書かれている。出版社による惹句であるが、はたして東良さんは孤独だろうか。「毎日jogjob日誌by 東良美季」に垣間見える日常に私は羨望を抱いているのだが。
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by omasa-beu | 2007-03-24 19:48 | 映画、TV、本、音楽 | Comments(0)

終活しなくちゃと思いながら毎日をだらしなく送っている団塊の世代です。写真は、ドラマ『子連れ狼』(北大路欣也さん版)の大五郎(小林翼さん)。私の癒しです。スカパー「時代劇専門チャンネル」のTV画面から撮影。問題でしたらお知らせください。


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