漢陽都城10人10色 エピソード04 日本語訳

台風18号の思いがけない影響を受けた釜山国際映画祭ですが、昨日から場所を一部変更しながら、無事に開催されているようです。現地に入られたギル友さまたちからのレポを嬉しく聞いています。『殺人者の記憶法』でナムギルさんと共演されているソル・ギョングさんは開幕式の司会を務めるため、レッドカーペットに登場。今回は、ソル・ギョングさん出演の他の映画が上映されることになっているようですが、来年は、ぜひ、『殺人者の記憶法』でご両人の姿を拝見したいものです。

後になりましたが、この台風で亡くなられた方方に慎んでお悔やみ申し上げます。また、被害に遭われたみなさまのご心労をお察しいたします。心からお見舞い申し上げます。

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©Gilstory

キム・ナムギル、いま、あなたが
歩いている道


2016.10.04 by キム・ナムギル

https://storyfunding.daum.net/episode/12792

途切れては続き、ある瞬間、消えては、再び現れる漢陽都城の道を歩いていると、この道は僕たちの人生と本当によく似ているという気にさせられる。

その道を歩いていると、喜怒哀楽の感情が心の中に入ってきたり、出て行ったりを繰り返す。そうやって、黙って城壁を見ていると、そんな不思議な気分にとらわれてしまう。

いま歩くこの道は、どんな道なのか

名前も知らいない誰かが、今日も昨日も、また、その次の日も歩いて行った道。そんな道の上に立っていると、時には、遠い過去の誰かともつながってさえいるように霞んでいる。

その人の、その一日はどうだったか? 普段と変わりなくて、退屈でも平凡な日だったのか、それとも、何かがあって心が入り乱れていたのか、ある日は綿毛のように軽やかな足取りでも、ある日は重たく、陰気な足音を立てたいような、そんな思い。そんな風に、その時間を想像してみる。

スンソン(城めぐり)遊びをするように、最初から最後まで続く、そんな物語。その中に今も残っている多彩な瞬間、記憶。もう少しだけゆっくりと、もっと近くでのぞいてみると、そこに残る記憶の残響が話しかけてくる。もう少しだけ、のろのろと動いてみると、誰かがすぐそばで怒鳴りつけるように。

今日はスンソン(城めぐり)をしよう

さあ、そのままで、ちょっと出てきなよ

今日一日は他のことは後回しにして、くまなく見物しようと。

朝鮮八道が花の色に染まり、ファジョン(花煎)遊びをしていた頃、春の遊びを兼ねて、書堂から師匠を先に立て、子どもたちが列をなして後を追っかけてきたスンソン道(城めぐりの道)。

注: ファジョン遊びについては、こちらでご覧になれます。
http://www.pusannavi.com/special/5034158

約束なんてのはなさそうな科挙及第の願いを込めたあどけない顔の儒者たちと、今回の道も無事に往来することを願う行商人、豊作を祈願する農夫たち... そのすべての一歩、一歩から続いていた、限りなく慎重ながらも、浮き立った歩みで踏みならしたスンソン道。

そのときは、ただ城郭が開いた道に沿って行っても、道を失うことはなかったのだ。しかし、今は、漢陽都城の切断された城郭と残りの痕跡を探して歩かなければならならない。まかり間違えば、都心の真ん中で城郭の道に迷ってしまいがちなのだ。

旧道は途絶えて久しい

そうだ。すでにその時代の旧道は、途絶えて久しい。水路の流れのように途絶えることもなく果てしなく続いていたその流麗な道は消え失せた。それなら、いつかは完全な漢陽都城に僕たちは再会することができるのか。

もし漢陽都城の完全な姿というのが、原形が保存されていた城郭都市そのものなら、僕たちはすでに失ってしまったし、再び取り戻すことはできない。今になって、道路が開通して他の建物が入った場所に城壁を無条件で再び築くことはできないのではないか。

仮に多くの時間をかけて再び築いても、果たして、その道は本来の道と言えるだろうか? それなら、漢陽都城がそのまま保存されなかったことについて、僕たちは何を惜しむべきなのか。

今も森の奥深くに位置し、昔の姿が比較的完全に残った区間がある。しかし、互いにつながってはいない。城門と城門の間は断絶されたまま城門の両側の城壁は当然のことながら途切れている。だから、なんとなく通り過ぎていた都心の真ん中に立っている昔の城門が非常に突拍子なく見えたりもする。

たいてい、城門というのも知らないまま通り過ぎてしまいがちだ。実際、漢陽都城の探訪で行き来しても、どこからどこまでが城壁なのか、混乱する場合が多い。そのおかげで城壁が続いていた本来の姿を想像する楽しみはあるけれども、近代的な建物や道路に押しのけられ、放置されたように残っている城壁を見ると、それさえもよかったと思うべきか、あまりにも遅れていると思うべきか。

あまりにも遅れているのではないか

もうずいぶん前から漢陽都城は取り壊されてきた。電車の路線が敷かれながら、興仁之門、敦義門、崇礼門周辺の漢陽都城が壊され始めたし、日帝強占期の時代、都市計画を名目に城郭のあちこちが取り壊された。以降では、急激な都市化の進行で、城郭はさらに建物の塀に使用されたり、破損された場合もあった。

そのすべての喜怒哀楽を抱いてきた漢陽都城の道はそれほど長い間に消えてきた。果たして、いつまで、この道を歩きながら記憶できるかという不安感は、スンソン(城めぐりの道)を歩きながら得る喜び同様に大きくて深い。

しかし、一度その道を歩くと、すでに情が深まって、再び訪ねないわけにはいかない道、そのスンソンが開いた道に沿って歩いていると、日常の中に息をひそめていた感情が浮かびあがる瞬間がある。

ここから、さらに、どれほど、漢陽都城が続くのか、また、途切れるかを気遣ったり、また、失望したりもしたとき、今一度、忘れずにその場を守っている城門の姿に全身が自由になるようにすっきりした瞬間、いつの間にか、見えない道を探して心の窓にその道を描くこのスンソン遊びを楽しむようになる瞬間、漢陽都城はもう、一つの心の中に復元され、ありありと生きて息をし始める。

その行路の中に込められたすべての喜怒哀楽

結局、まだ僕たちがこの道を歩いているというのは、この道を歩くだろうというのは、そして、今、漢陽都城を眺め始めているというのは、すでに漢陽都城の完全な復元が開始されたことに相違ないのだ。

ただ、今は、消え去った城壁の痕跡と消えたすべての旧道をどのように歩いて、どんな物語を聞かせるのかは、僕たち、それぞれの役割である。誰かが決めてくれた行路通りに行かずに、自分で探し、問いかけ、ともに話合いながら、姿を消した漢陽都城を探してくれるように願う。

漢陽都城のどんな風景の前で立ち止まり、何を感じて考えたのか、再び、今を僕たち一緒に語りたい。「漢陽都城と変わらず共にすることのできる今」をである。

キム・ナムギル

「下に紹介する映像は、<ギルストーリー: ソウル漢陽都城10人10色プロジェクト>の市民参加者、キム・ヨンジュンさんが直接撮影した映像で『漢陽都城の喜怒哀楽』をテーマに制作されました」

写真と映像は、こちらでご覧くださいませ。
https://storyfunding.daum.net/episode/12792

「ぼくたちが作る文化遺産、漢陽都城7話」は↓です。

キム・ナムギル、南山道に沿って、崇礼門までスンソン道
Commented by すみれ at 2016-10-11 13:59 x

漢陽都城 によせる ギルさんの想い、こちらで ゆっくり味わえることに感謝ですm(._.)m

ファンミで、ペンの質問に答えるギルさんにも感じましたが、どうしたら自分の考えが届くのかの再三の努力が感じられます。
韓国語と日本語との表現の違いにも、面白さを感じます^ - ^
(日本語に訳しても残る 言いまわし、気分に・・)

映画公開のお知らせを、早く聞きたいものです ! !
Commented at 2016-10-11 14:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by omasa-beu at 2016-10-11 15:31
すみれさま、あんにょん!

今日はエピソード05が公開されていますので、自動翻訳でざっと読んできましたが、意味を読み取るのはやはり難しいですね。ナムギルさんは心象風景を文章にしているので、私の能力ではお手上げですが、なんとか本文に近づけるように訳してみます。自分のためでもありますが、読んでくださる方があると思うと励みになります。いつも有難うございます。

待望の映画ですが、『パンドラ』の公開が来年の旧正月頃という報道が出ていますね。『ONE DAY(マイエンジェル改題??)』も、Japan Content Showcaseで今月末にお台場で上映されるようですし(Closed上映)、出来れば、単館ではなく、全国上映してくれる配給会社(になるのかな?)が買ってくれるといいのですが。映画上映のしくみがよくわかってないので、とんちんかんなことを言っていたら、すみません。

http://www.jcs.tokyo/ja/screenings/one-day/
Commented by omasa-beu at 2016-10-11 15:42
鍵コメさま、おかえりなさい。

お疲れのところ、早速のレポをありがとうございます。
11回目というだけでも表彰ものですね。ほんとうに行動的でいらっしゃるので、感服します。こうして、お話を聞かせていただくと、やっぱり、いつか行きたいなという思いが湧いてきます。いつか~と願っておくことにします。

今は、歩くだけで、いつもの数倍の時間がかかるので、ふらふらと外に出かけられない生活をどう変換させればいいのか考え中です。何事も、元気であればこそですね。来年もぜひいらしてくださいね。
Commented by omasa-beu at 2016-10-11 21:16
kurikuriさま、こんばんは。

お心にかけていただき、ありがとうございます。運動はしているのですが、そう簡単に筋肉がついてくれるわけもなく、気の長い話です。なんとか、ナムギルさんの次のイベントまでには回復したいと思っているのですが。

そうですね。映画の方も動きが出てきたようですし、それだけでも嬉しいですね。韓国までは観に行けませんが、ともかく、何かの方法で来年中に観られるとシアワセです。それと、『殺人者の記憶法』もね。

エピソードの翻訳は遅れおくれになりますが、しばらくお待ちくださいね。私の訳でも、なかなか分かりにくい箇所があるので申し訳ないですが、その辺は想像でカバーしていただければ幸いです(笑)
Commented by casper at 2016-10-12 03:59 x
おまさぼうさん アンニョンハセヨ
漢陽都城 2度歩きましたがナムギルssiの感性に脱帽です
ソウルへ行ったらぜひ散策お奨めです じっくり回ると1日かかります
毎日、我が家に迎えたLuLuちゃんに2:30am~3:30am頃
ワンワンと2回泣くので1Fに降りて近所や庭を歩くと眠る
夜型に振り回されただいまやんわりと躾中の日々です
韓国は映画封切り日発表が遅いので渡韓にあわただしい事が多く、改善してほしいのは私だけでしょうか?
Commented by omasa-beu at 2016-10-12 14:50
casperさま、こんにちは。

漢陽都城に二度も行かれたことがおありなら、ナムギルさんの文章を実感しながらお読みになれますね。エピソードの方ではなく、「文化遺産、漢陽都城」の連載は、歩くためのガイドですから、実際に歩かないことには実感できないような気がして、翻訳する気が起こらないままになっています。いろんな意味で、歩ける日が来るのかどうか、残念ながら、未知数です。

LuLuちゃんが泣く時間帯は未だ起きているんですけど、私こそ、誰かにしつけてもらわないといけないような生活形態になってしまってます(苦笑)

韓国映画の封切り日については、観客だけでなく、俳優さんたちも舞台挨拶のためのスケジュール調整が大変でしょうね。
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by omasa-beu | 2016-10-07 15:11 | Gil-Story | Comments(7)

♪♪Kim Nam Gil Forever♪♪ 韓国の俳優キム・ナムギルさんが好きです☆


by omasa-beu
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