漢陽都城10人10色 エピソード02 日本語訳

「漢陽都城の道」第5話が、本日、公開されていますが、22日現在、Storyfundingの後援金は目標額の15%という状況です。それでも、465件もの参加が見られるのは素晴らしいことです。プロジェクトの締切りまで残り50日。終わりよければすべてよしという結果になるよう、祈っています。

現実的に歩けるかどうかわからない「漢陽都城の道」は、後日、読むことにしまして、先に、ナムギルさんのエッセイ、エピソード02を訳してみました。

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©Gilstory


キム・ナムギル、漢陽都城からの思索

2016.09.20 キム・ナムギル

見知らぬ場所を旅してみると、ひとりごとが多くなるときがある。あたかも誰かの隣にいるかのように。新しい空間が与える刺激のためか? その未知の世界には、新しい物語が隠れていて、今とはまた別の瞬間に会うことになるはずという期待をさせる。

そうして、普段、僕自身も気づけなかった僕の内なる人間を発見させる。最終的に僕を幸せにするもの、僕を不幸にさせるもの、このすべての瞬間を見せないように運用してきた僕だけの価値は何かを考えさせる。

僕だけの価値とは何か

漢陽都城は僕たちにそんな胸が熱くなる対話をするように取り持つ。この静まりかえった旧道を黙って歩いていると、とうてい、速射砲で溢れ出るその問いを無視することができない。そもそもこの旧道にはそんな力があった。

朝鮮八道すべての道は漢陽に通じ、漢陽都城に到着した。城門では絶えず人々が行き来し、その数多くの足跡ですり減ってきた土の道には人が生きる多彩な物語が刻まれた。そうやって、当代の数多くの物語は口から口に、記憶から記憶へ伝わってきたのだ。

[写真]나를 만나는 숲
自分に 出会う 林

その途切れたように続く道のひとつひとつに刻まれた平凡ながらも特別な物語は、今、僕たちの世界を、時代をまた別の方法でのぞき見させて、最終的には、自分に向かう道を見つけられるように手助けしてくれる。

特別でも非凡でもない僕たち普通の人々。いつかと同じ学校、同じ教室で同じ世代を共有していた僕の友人たち、僕を僕として存在させる最初の土壌になってくれた家族たち、さらに、家族から家族へと繋がった僕たち、その隣人たち皆が持っている本来の力を考えさせる。

自分に向かう道

彼らすべてがそれぞれの道を開いてきた。その道には、おのずとその時代の考えが込められ、暮らしが集まり、それだけでひとつの世界を作る。それがまさにひとつの時代であり、歴史であった。しかし、今は、そのすべての人々に対する関心、ただ一人の小さくも些細な物語に対する暖かな眼差しが希少になった。今は、「家族」「我々」という仲睦まじい言葉が、その語感すら、なじみ薄く感じられる。

もしかすると、早晩、「共にする」「同行する」という意味を辞書でしか探せないかも知れないし、心ではとうてい理解できない時代が来るかも知れない。すでにもう気まずくはないか? 共同の空間を共有するということ、ひとつの共同体の中で暮らすということ、共に互いの暮らしを助けるということ。

今、僕たちは完全にそれぞれの空間で暮らし、幾重にも分離された時間の中で生きている。ニュースでは、ますます多くの孤独死の話が増え、老若男女誰もが社会的疎外を心配する。個人の暮らしの質を決定する幸福の条件に対する悩みを超え、共に「同行」ということについて真剣に答えを見つけねばならない時が来たのではないか。

暮らしの質を決定する幸福の条件

漢陽都城の城郭の村々は、だから、さらに特別なのだ。そうだ。僕たちは、特に運が良かった。今はソウルから消えてしまった小さな抜け道や路地を持つ賑やかな村。住民たちが隣近所を愛しく思い、ずっと誇らしく保存することを願う村。村の真ん中の縁台に三々五々集まり、日常を共有することをいとわず、隣人たちとともにご飯と気持ちを分け合う小さな空間を持っている、そうして、喜んでともに共有する時間を守り抜いている人々は情愛にあふれている。記憶の向こうに薄れて行ったこの優しい風景を漢陽都城に寄りかかり、再び懸命に掘り起こしてみたい。

600年を超える長い時間の間、漢陽都城が残してくれた僕たちの暮らしの記録、山と野原と小川の水と共にあったそのささやかな暮らしの喜びを共に分かち合うべきときを、これ以上、遅らせることはできない。まるで草花を育てるようにつぶさに見て、よく見て、また見て、世話をしてみると、久しくこの頼もしいスンソン(城めぐり)と共にすることができるだろうという暖かい想像をしてみる。

漢陽都城と600年を越えて同行した普通の人々の痕跡を思索しながら、僕を僕としてあらしめる僕だけの価値もともに探せることを願う。

キム・ナムギル


「下に紹介する映像は、<ギルストーリー: ソウル漢陽都城10人10色プロジェクト>の市民参加者、カン・ミンソクさんが直接撮影した映像で『漢陽都城そして私の未来価値』をテーマに制作されました」

写真と映像は、こちらでご覧くださいませ。
https://storyfunding.daum.net/episode/12121

もう十分にいろいろと考えている人なので、考えすぎて、気を病まないように願っています。
Commented by やんたろ at 2016-09-23 09:19 x
おまさぼうさま、こんにちは。

本当に律儀で口にしたことは必ず実行なさるナムギルさん、あまりに真面目すぎておまさぼうさまのおっしゃるように心配になるときがあります。Episode 02に続いてストーリーファンディングの連載5話も出ましたね。ナムギルさんのこのプロジェクトにかける真摯な思いに少しでも寄り添うために、せめて私も一生懸命訳して読もうと思っていす…。

Episode 02をゆっくりと読んでみて、同じ漢陽都城を題材にしながらもストーリーファンディングの連載とハートファンディングのエピソードとに分けられたのは、ちゃんとナムギルさんの意図があったのだと感じました。Episode の方がタイトルの通りにより思索的で、心の内を吐露なさっているように思います。

世の中が進んで、便利なことやスピーディーさが当たり前になり行き着くところまで行ってしまうと、やはり人の心とは回帰してゆくものなのでしょうか…。人という字は…というあれのように、どんなに時代は進んでも、人は一人では生きられないですものね。ナムギルさんのおっしゃるように今ならまだ間に合う、一人一人の中にある温かい記憶を取り戻すことができる…読んでいるとそう思えてきます。この城巡りの旅はその出発点で、ギルさんの見ているその先には何があるのかな…。

こうして同じものを読み、おまさぼうさまや皆さまと語り合えることも「ともにする」「ともにゆく」ことの一つかもしれません。ナムギルさんを中心とした輪が少しずつでも広がっていくのは本当に嬉しいことです。
Commented by ゆっつ at 2016-09-23 12:30 x
おまさぼうさま、日本語訳アップしてくださり、ありがとうございます。すっかりハングルの勉強を怠けてしまっていますが、スマホで、原文とおまさぼうさまの訳を交互にみて、少しでもハングルの語彙を増やそうと思ってます。ほんとは書くのが一番だと思うのですがね...
それにしてもナムギルさんは、こういう文書をいつ書くのでしょう?スマホで少しずつ書きためる?それとも〆切前に部屋のパソコンに向かって一気に書き上げる?もうひとつのほうの記事も長いですよね。ずいぶん時間がかかると思うのですが。ファンミで見せるお茶目な表情やドラマで見せるセクシーあるいは苦悩に満ちた表情とはまた違った表情で書いているのかな。こっそり見てみたいです。作文の成績はよかったという彼ですから案外すずしい顔でさらさら書いているのかもしれませんね。
Commented by omasa-beu at 2016-09-23 14:30
Commented by omasa-beu at 2016-09-23 14:45
ゆっつさま、あんにょん!

こちらこそ、下手な訳文をお読みいただき、ありがとうございます。時折、辞書だけでは翻訳できない単語が出てくるので、はたと立ち止まってしまいます。今回、訳しにくかった単語のひとつが「뿌듯한 대화」の「뿌듯하다」でした。「胸が熱くなる対話」にしましたが、こういうのを上手く訳せたときに、翻訳の醍醐味があるんですが、何回も書き直した末、結局、こんなぎこちない訳に落ち着いてしまいました。

ふふ、私もゆっつさんと同じことを考えていました。『マイエンジェル』がクランクアップしてからは、漢陽都城の道を歩く一方、自宅かどこかで書いていたんでしょうね。決して、簡単に書ける内容ではないので、時間はかかっていると思います。

エッセイを読ませてもらうのも嬉しいけど、何度も言っているように、そろそろ本業をお願いしたいというのがギルペンとしての私の本音ですけどね。
Commented by やんたろ at 2016-09-23 18:34 x
おまさぼうさま、こんにちは。

そうでした‼︎ 大阪で紹介してくださいましたね。
ナムギルさんの詩は好きですか…の問いに、何と答えてよいものかと皆が戸惑っていると、あまり好きじゃないんですね、と可愛らしく拗ねてみせてくださいましたっけ。以前のGilstory のTheme Story の中のスミレのお花の写真もふと、思い出しました。

ウーマンセンスの記事の冒頭でしたか、俳優としてのナムギルさんは「千の顔を持つ」と紹介されていましたが、お顔だけでなくおっしゃる通り内面もたくさんの側面をお持ちのようなので、とうてい理解することはできないと思いますが、書かれる文章を読んでいて時にちょこっと垣間見れたりするだけで十分幸せです〜〜♡♡♡ 大好き〜〜♡

「ともにある」については私もおまさぼうさまと同じで、常に一緒というのはとても苦手です。家族でも。一人で壁に向かって⁉︎、韓国語の辞書が一冊あれば、いつまでも一人遊びしていられます。

本業が先です、とはっきりおっしゃっていますからきっと大丈夫と信じていますが、本当に俳優としてのお姿を拝見したいですね。
とりとめなく書いてしまって申し訳ありません。
Commented by omasa-beu at 2016-09-24 00:52
やんたろさま

いろいろと書いてくださるので嬉しく読ませていただいています。寄せていただくコメントの端々からナムギルさんがお好きという思いが伝わってきます。そして、同じギルペンながら、いいなあと半ばうらやましく感じている私がいます。ファン歴が長くなってくると、当初の熱い気持ちはどうしても薄れてきがちなのが寂しく感じられる今日この頃です。だからこそ、新しい作品で、何度でも、こちらの心をつかんでほしいです。
Commented by omasa-beu at 2016-09-24 01:15
kurikuriさま

どこかで『怒り』の記事を読みましたので、綾野さまの今回の役は興味深々なんですけどね、まだ観に行けそうになくて。この前、死ぬ間際に一人は寂しいよと誰かが言うので、もう、今死ぬという時に寂しいとか孤独とか感じないと思うよと答えたんですが、実際、孤独を感じるのは生きているときですよね。ただ、誰かに自分の死を気づいてもらわないと、周囲に迷惑をかけるとは思います。お墓もなまじあるだけに、妻夫木さんの役柄同様、私以外はもう誰も入らないお墓なので、自分が死んだ後のことを考えさせられています。オモ、ごめんなさい。そんな話ではなかったですね(汗)

誰かを好きになるって、それが身近な人でなくても、すごく素敵なことですね。それが、どれだけシアワセをもたらしてくれるか、私たち、みな、実感してますもんね。
Commented by casper at 2016-09-24 05:39 x
おまさぼうさん アンニョンハセヨ
今週、漢陽都城行ってきました 時間的に余裕がなかったので
Taxiで麓まで行き上っていきましたが途中、上腕、足の訓練にもなる機械が設置してあり ちょっと体験 体力upに役立つ優れもの 日本の散歩コースにも欲しいです^^
上は森のようで眼下はソウル市内を眺めながら韓流談義
途中、1人や老夫婦で速足散歩の方と何度も遭遇
健康志向は韓国の方が優れていますね!
ナムギルペンの皆様 ぜひ行かれると良いエリアです
途中、バス停留所もあります 次回の韓国は釜山国際映画祭
2016年は封切り作品0なのでお越し頂けるのか?
映画封切りはいつになるのか?情報欠乏病の日々です
ギルストにupされた場所にいて共有出来るのはHappyな気持ち
早く生ギル見たいです
いつも情報upに感謝の日々です コマススミダ
Commented by omasa-beu at 2016-09-24 14:17
casperさま、こんにちは。

漢陽都城便りをありがとうございます。
ご覧になった機械は映像で見たことがありますが、散歩の途中で体験できるのが素晴らしいですね。ほんとに、日本でもほしいです。
それにしても、casperさんは、もう数え切れないほど渡韓されてますね。フットワークの軽さにただただ羨望の念が湧いてきます。
釜山のレポもお願いできると嬉しいです。ブログにお邪魔しますので、よろしくです。
Commented by ミニうさ at 2016-09-24 22:40 x
おまさぼうさま (*^^*)

ギルストの訳、私はいつもおまさぼうさま頼りですのでこれからもよろしくお願いします。

ギルの書いた文章もいいんですけど…早く演技しているところが観たいです。
でも俳優としてはこういう演技から離れているときにしていることが次の作品で役だったり、マスコミから離れてゆっくりと自分の時間を楽しんで次の作品の英気を養ってくれているのだと思って耐えています(笑)

今年の釜山映画祭ではタキシード姿がみられそうにないようでとっても残念です(涙)

このところお天気もすっきりしなくて気分が上がりませんが、おまさぼうさまやギルペンの皆さんとギルの映画公開でいっぱいお話できる日が早くくることを願っています。
Commented by omasa-beu at 2016-09-25 01:55
ミニうささま、こんばんは。

頼りにしていただける翻訳ができればいいのですが、エッセイはきちんと読みたいと思う一方、storyfundingの方は、なかなか手をつける気にならず、4話以降は自動翻訳でざっと読んでいる状態です(^^;;

最近、誰だったかな、来日していたトム・ハンクスさんだったか、俳優の日常は、workingか、not workingのどちらかだという意味のことを言ってました。ナムギルさんも、以前、先輩から、仕事をしてない時の過ごし方が大事とアドバイスされたと言っていた記憶があります。本人も、俳優は一般の人より家にいる時間が多いと言ってましたもんね。お休み中にゆったりと過ごすことも、何かをしてインプットすることも、演技をする上で幅を広げてくれるといいですね。

もうすぐ10月。そろそろ、元気の出るお知らせを聞きたいもんです。ナムギルさんは来るのか、来ないのか、釜山からのレポも楽しみにしていますね。
Commented by すみれ at 2016-09-26 14:32 x

おまさぼうさまの翻訳で、初めて内容を知ることができるので、ずっと、ずっと、 よろしくお願いいたします m(._.)m

文中の 〜村の中の縁台〜
この場のように、 ゆっくりと 思い思いに過ごす ひとときを提供できたらな〜〜と
ギルさんが、漢陽都城巡りに、思いを馳せ、感じるところの 空気や空間を 〜〜と
感じながら、日々 過ごしておりますが、果たして^^;
すべての人が、同じ感性、想いを共有するわけではありませんから。

ギルさんの表現したいものを、時には失敗もあるかもしれませんが、どんどん発信してほしいです。
こちらは、切り取りたい部分を集めて、幸せな気分に浸りますので(*^^*)
あまり 考えすぎないでとも思います^ - ^
Commented by omasa-beu at 2016-09-26 22:49
すみれさま

頼まれるとやらない訳にいかないです(笑)。私のできる範囲でということで、続けてゆきますね。

ナムギルさんにすみれちゃんのカフェにも立ち寄ってほしいですね。私は昼間の風景は見てないですけど、ベランダからナムギルさんを囲んで風の匂いを感じてみたい。妄想みたいだけど、実現するかも知れませんよ。
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by omasa-beu | 2016-09-22 20:23 | Gil-Story | Comments(13)

♪♪Kim Nam Gil Forever♪♪ 韓国の俳優キム・ナムギルさんが好きです☆


by omasa-beu
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