市川海老蔵 古典への誘い + 中村勘九郎襲名

市川海老蔵さんはすごく好きという役者さんではないはずなのに、なぜか、その舞台を観たくなる魅力がある。つまり、ファンということなのか(笑)。今回は、海老さまの企画による特別公演。演じられるのは、舞踊『連獅子』だが、この舞踊のもとになっている能の『石橋(しゃっきょう)』を同時上演しようという、興味そそられる公演だった。
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舞妓ちゃんや芸妓さんたちで、1階の客席は華やか。

歌舞伎と能、狂言のコラボは今までにも三響会での公演などがあり、めずらしいものではないと思われるが、同じ狂言を能と歌舞伎で観られるというのが面白い。

はじめにスーツ姿の海老さまが登場。歌舞伎と能の発祥や歴史についての解説。能については、今回、ご本人も改めて勉強したとのこと。また、能の『石橋』については、坂口貴信さんという若き能楽師による説明があった。歌舞伎の狂言のなかには、能から取り入れられた題材がいくつかあるが、能の『石橋』が伎楽の獅子舞をもとにするものと聞き、「なんとなく嬉しい」と率直に吐露する海老さま。その気持ち、わかるような気がする。

ご両人のお話が40分ばかり。すこし長すぎるようだ。スピーチをちょっとだけ勉強した身にとって、海老さまのお話が、舞台の台詞とは違い、素人っぽいことに親近感を覚える(笑)。まだご覧になってない方のために、ここには書かないが、海老さまの登場の仕方にも、嬉しい驚きがあった。

続いて、能による『石橋』。能の舞台を思わせる舞台構成が南座の舞台に再現されている。青色の正面に大きな白い月。その前に竹林という背景が清々しい。地謡と太鼓、小太鼓、笛による演奏に続き、白獅子と赤獅子が登場。白獅子は悠々と、一方、赤獅子は若々しく舞う。無駄のない所作に、ぴんと張りつけた緊張感が漂う。

f0020564_19505641.jpg最後に、歌舞伎の『連獅子』。舞台の背景は正面が青色から黒色に変わり、舞台の上手と下手に置かれた燭台に炎が燃えていて、心奪われる。親獅子が海老さま、子獅子が中村壱太郎くん。従来観てきた連獅子とは振付も台本も違うようだが、とても新鮮な眼で観られた。

獅子に変わる前の狂言師右近を演じる海老蔵の面差しが十一代目團十郎(海老さまのお祖父さま)にそっくり(十一代目は映像で知るのみだが)。毛ぶりも数えてはいないが、50回ほど続いただろうか。さすがに若々しいご両人。ほんとうはアンコールを所望したかったのに(ふつうの歌舞伎公演ではアンコールはなし)、客席からはその拍手が続かなかった。帰りがけ、西側出口で、海老蔵夫人の麻央さんがにこやかに挨拶している姿が見られた。歌舞伎の本公演に較べると短い時間ながら、海老さまの歌舞伎への熱意を十分感じられる夜だったし、十分堪能させてもらった。(28日夜の部)

f0020564_19482386.jpgちなみに、今月2日には、松竹座で勘九郎襲名興行夜の部を観劇。坂東玉三郎さんによる『女暫』の巴御前はとてもチャーミングだったけれど、お父上の勘三郎さんの病気による不在がなんといっても寂しい。勘九郎さんは、『雨乞狐』での踊りよりも、『女暫く』の幕切れで舞台版として登場した姿がとても粋で、玉三郎さんとの掛け合いが素敵だった。
Commented by スキップ at 2012-10-01 13:28 x
おまさぼうさま
この公演、興味はあったのですが、9月は
スケジュールぱつぱつであきらめたものです。
おまさぼうさまのレポを読ませていただいて、
楽しかったのと同時にやっぱり観に行けば
よかったと後悔(涙)。
能はいささか苦手なのですが、こうして
同じ演目を歌舞伎と同時に観られるというのは
やはり魅力ですね。

そして、リンクしていただいている三響会の
記事を読んで、私もこの公演観たことを
思い出しました。
あの茂山家の五人三番叟にいたく感激したのに
すっかり忘れてしまっていて、先日その五人の
狂言観た時もかけらほども思い出しませんでした。
我ながら情けなや(爆)。

Commented by すみれ at 2012-10-01 16:50 x
おまさぼうさまの ナム씨 以外のリポートも、とても嬉しいです。
高山 のんびり暮らすには、とても気にいっていますが、何かスパイスが足りない(>_<)
今後の臨時休業は、ナム씨 のために当てなければならないので(定休日以外 あまり休めないのが自営業の辛いところ)(笑)

ブログ いつも楽しみに してます ! !
Commented by おまさぼう at 2012-10-01 23:20 x
スキップさま
絶対行かれると思っていましたけど、ほんとにお忙しいですものね。
今回の公演、私は満足して帰途につきました。それが書ききれていないのが私の限界ですけど、私もやはり、観た公演を何らかの形で書いておかないと忘れる一方なので(涙)、まあ記録ということでご理解くださいまし。

それにしても、あの五人三番叟はすごかったですね☆
Commented by おまさぼう at 2012-10-01 23:23 x
すみれさま
お読みくださって、ありがとうございます。
観劇レポは苦手なので、感動をうまく伝えられないのですが、ブログを楽しみにしていると言ってくださると勇気百倍リンリン~です。うれしいです☆
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by omasa-beu | 2012-09-30 19:51 | かぶき・演劇 | Comments(4)

♪♪Kim Nam Gil Forever♪♪ 韓国の俳優キム・ナムギルさんが好きです☆


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