「博士が愛した数式」 コミックから原作、そして映画へ

本屋の棚でコミック版「博士の愛した数式」(くりた陸さん画)に手を伸ばしたのは、TVのCMで流れる映画のワンシーンに心惹かれていたせいかも知れない。博士のもつ大きな病気を超えて、博士と家政婦、家政婦の小学生の息子が織り成す日常生活の静けさに心うたれた。原作(小川洋子さん)を読みたくなる。機会があり、読み終える前に映画を見る。

映画を見ながら、時々、目尻から涙が流れた。映像のもつ力もあるが、悲しいという想いから出た涙ではなく、ひとの想いのやさしさにふれたからだと思う。事故のために記憶が80分しか持たないという初老の数学者を不幸として描いていないところが素晴らしい。長野(ここで撮影されたようです)の自然のなかで日常を生きることの喜びを感じさせてくれた。

家政婦役の深津絵里さんがいい。浅丘ルリ子さんとのやりとりでは泣かせられた。彼女の淡々とした台詞にこちらに訴えかける力を感じた。

原作読了。家政婦さんというのは、実に多彩な才能がないと勤まらないもののようだ。リストラ後心情ニートの私にはさらさら無理だが、掃除、洗濯、アイロンがけはもちろん、料理のレパートリーがないとダメでしょう。そのうえ、理不尽な雇用者にあたることもある。市原悦子さんのように覗き見をしている暇はない。
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by omasa-beu | 2006-03-14 19:31 | 映画、TV、本、音楽 | Comments(0)

終活しなくちゃと思いながら毎日をだらしなく送っている団塊の世代です。写真は、ドラマ『子連れ狼』(北大路欣也さん版)の大五郎(小林翼さん)。私の癒しです。スカパー「時代劇専門チャンネル」のTV画面から撮影。問題でしたらお知らせください。


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