「博士が愛した数式」 コミックから原作、そして映画へ
2006年 03月 14日
映画を見ながら、時々、目尻から涙が流れた。映像のもつ力もあるが、悲しいという想いから出た涙ではなく、ひとの想いのやさしさにふれたからだと思う。事故のために記憶が80分しか持たないという初老の数学者を不幸として描いていないところが素晴らしい。長野(ここで撮影されたようです)の自然のなかで日常を生きることの喜びを感じさせてくれた。
家政婦役の深津絵里さんがいい。浅丘ルリ子さんとのやりとりでは泣かせられた。彼女の淡々とした台詞にこちらに訴えかける力を感じた。
原作読了。家政婦さんというのは、実に多彩な才能がないと勤まらないもののようだ。リストラ後心情ニートの私にはさらさら無理だが、掃除、洗濯、アイロンがけはもちろん、料理のレパートリーがないとダメでしょう。そのうえ、理不尽な雇用者にあたることもある。市原悦子さんのように覗き見をしている暇はない。