明日は参院選
2007年 07月 28日
祖母が最後に投票に赴いたのは亡くなった年の昭和55年だったと思う。前年の夏、脳梗塞で倒れた際の検査で胃がんが見つかり、余命一年と宣告された。本人には告知しないまま、家で療養していた頃だからよく覚えている。もはや一人で歩くことも難しくなっていたのに、「連れてってくれるか」という祖母の頼みで、投票所までの道を私は祖母の身体を抱きかかえるように歩いた。
投票台の前で祖母を支えるために背後から両手で胴に手を回した。と、その時、選挙立会人の一人が飛んでくるや、私を祖母から引き離した。祖母がどの候補者に投票しようとしているかについては訊いたこともなかったけれど、そういう行為すら選挙違反になることを初めて知った。
その時の投票所はいつもの小学校ではなく、なにかの事情で中学校に変わっていた。普通に歩けば3分ばかりの道をゆっくりと歩む祖母と私の姿がなつかしき映像を見るように私の心に映っている。