韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
2018年 04月 24日
4/23、地元のシネコンで鑑賞。
情報が統制されているなかで光州事件のありのままを撮影したドイツ人記者。元は滞納している家賃の10万ウォンを稼ぐためではあったが、光州での惨状を目の当たりにし、必死で記者を目的地へ送り届ける個人タクシーのキム運転手。そして、光州での真実を世界に発信してもらうべく命懸けで彼らを助けた一般の大学生やタクシー運転手たち。笑いと涙で描かれる彼らのヒューマンストーリー。
終盤、軍部に追われながらポンコツ寸前のタクシーで空港へ向かう記者とキム運転手を守るため、突如姿を現す数台のタクシーと軍部とのカーチェイスや検問でのちょっといいシーンなど、映画としてすごく面白かった。
別れ際、電話番号を記者から尋ねられたキム運転手は、一瞬迷うが、傍らの箱に書かれていた名前と偽の番号を書き残す。このとき、彼の胸に去来したものは何だったのか。
キム運転手を演じるのはソン・ガンホさん。映画に出るたびに賞を取っているような印象がある韓国の国民的俳優だと思うが、実は、私は数本しか彼の作品を観ていないので、その俳優としての凄さをよくわかっていないのだ。ただ、本作を観て感じたのは、キム運転手としての存在や心の動きに観客が共感しやすいように演じられる俳優という気がした。
他にも、お馴染みの俳優さんたちが出演しているが、光州で出会い、ドイツ人記者の通訳をしてくれた大学生役リュ・ジュニョルさんは本作で観るのが初めて。どこにでもいそうな大学生を演じながら印象に残る。
ナムギルさん作品の共演者関係から見てみると、『パンドラ』のチョン・ジニョンさんは、ドイツ人記者の知り合いの記者として出演。英語による台詞が見事。
『パイレーツ』のユ・ヘジンさんは、妻子のある、人の良い光州のタクシー運転手。最後まで命を懸けてキム運転手たちを助けてくれるが、一般人としての普通っぽさがすごくいい。
最近では、『名不虚伝』の俳優さんたち、ヨンギョン父役のシン・ダムスさんとトゥチル兄役チェ・ジェソプさんが、それぞれ、光州とソウルのタクシー運転手として出演。役によって感じがまるで違うのは、やはり、韓国の俳優さんらしい。
もうひとり、印象に残った俳優さんは、ドイツ人記者とキム運転手を追う冷徹そうな私服の軍人役、チェ・グィファさん。『未生』での気弱な課長が思い出されてしようがなかった(笑)
ネタバレしないよう、感想を書いたり消したりしているうちに、もう一度、観たくなってきた。
本作は、日本語字幕の翻訳者が個人ではなく、神田外国語大学の在学生と卒業生による字幕制作チームというのが目新しい。字幕監修は本田恵子さん。
原題は、タクシー運転手(택시운전사)。
「タクシー運転手」、29日に観に行きます。
韓国で大ヒット作品ですが、地元が地方都市だからか、劇場こそ(殺人者…とは違い)新しいきれいな劇場ですが、一日に朝夕の2回の上映のみなんですよ。
まだまだ、韓国映画の重要は少ないんでしょうね。
これが、アメリカ映画ならば、「全米1位!」と、大々的に上映されるのに。
ソンガンホさんは、日本で言えば、役所広司?
この人が出ている映画なら、間違いない。
この人は映画に出れば、主演賞獲得。
そんな俳優ですよね。
コメントをありがとうございます。
他にも観たい韓国映画はいろいろとあるんですが、最近は大阪のシネマート心斎橋までちょっと出かけにくい事情があり、地元で上映されるのは有難いです。もっとも、これがナムギルさんが出ている映画なら、無理をしてでも行くんですけどね。
上にも書いていますが、ソン・ガンホさんの作品は少ししか観てないですし、私にとって、どの作品でも観に行きたいというような俳優さんではないのですが、映画好きの方は心惹かれるタイプの俳優さんかも知れないです。
2年前のファンミで、娘さんが舞台俳優をしている方の質問に答えて、ナムギルさんは「俳優は外見で評価されるものではない」と言ってますけど、私は外見も重要と思います。もちろん、ルックスだけで演技がさっぱりでは困りますが、何と言っても、夢を売る職業ですからね。
コメントをありがとうございます。今回はご面倒をおかけしました。他にも、エラーメッセージ等が出てコメントができない経験をされた方がいらっしゃるかも知れませんが、少し時間を置いてトライしていただけると、出来る場合もあるかと存じます。みなさま、懲りずに挑戦してみてくださいね。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
どんな演技派であろうと偉大な俳優と言われようと、好きと思える俳優さんでなければあまり観る気がしない方なんです。私の場合、映画やドラマを観る基準は、一に俳優、二に俳優、三四がなくて、五に作品かな(笑)。
軍部による残虐なシーンは、映像そのものよりも、その惨状を目撃するキム運転手やドイツ人記者の眼を通して強く感じられたような気がします。
『この人生は初めてだから』はそんなに面白いドラマですか。主演のお二人ともにナムギルさんの共演者ですから、一応、録画はしてますけど、まだ、一度も観てないんです。楽しみにしておきますね。
ゴールデンウィークの始まりですね。そんな折に、コメントをありがとうございます。
ホタルさんこそ、お出かけのご予定がおありでしたら、疲れすぎないように気をつけてくださいね。私自身は、まだ地元では上映されない映画を大阪へ観に行きたいなと思いながら、年がら年中、連休なので、むしろ、この人の多い時期に出かけるのはやめようと思ってしまいがちです。
ホタルさんは、去る人、来る人を毎年体験なさってるんですね。そういう職場の方が空気の流れがいいような気がします。かつて、私が正社員として働いていた職場は、入れ替わりがほとんどない職場でした。仕事は面白くなくても給料がよかったせいか辞める人もいなくて、まさに、空気が澱んでいるようで息苦しく感じたりもしました。その想いは、支店閉鎖によるリストラという負の状況によって解消されましたから、まったく皮肉なもんです。
去る人などと、一言で言い切ってますけど、実際、かつて来てくださっていた方たちはどうしてられるのか、今もナムギルさんのファンでいらっしゃるのかと、ふと気にかかることがあるのは本当です。でも、それは過去に心を残していることになりますから、ほんとは、そういうように思うことからさえも自由でありたいです。まだまだ、修行が足りない(笑)
コメントをありがとうございます。
この映画も、『殺人者の記憶法』でも、まだ、夜間通行禁止令が施行されていた時代が描かれていましたけど、ほんの数十年前の話ですもんね。私なんか、もう30歳を過ぎていたのに、隣国のことに興味がなく、何が起こっているのかさえ知らなかったし、知ろうともしていませんでした。おっしゃるとおり、何事にも、どんな人にも、いい点やそうでない点がありますね。自分自身がどの辺に妥協点を見出して受け入れられるかということかも知れません。
コメントをありがとうございます。
『光州5・18』は観てないんですが、まさに光州事件そのものというタイトルですね。ソル・ギョングさんの代表作『ペパーミントキャンディ」でも、光州事件が背景の一部として描かれていたような記憶があります。韓国の国民にとっては忘れられない悲劇なんでしょうね。
韓国ドラマを観始めたころ、おっしゃるように、外見は日本人とよく似ているだけに、ドラマ等で描かれている韓国の人たちの習慣や考え方が日本人と違うことに注目していた時期がありました。もっとも、最近では慣れてしまって、もう違和感なく観ていたりしますけど。
賞に関しては、何とも言えません。運やタイミングもあるでしょうし、そのうちにとってくれると信じています。
今ごろになってこちらをお訪ねしてすみません。おまさぼうさまは映画が公開になってすぐにご覧になったのですね。ぜひ映画館で観たい映画でしたので、自分で見てから、おまさぼうさまのブログに戻ろうと心に決めていました。
ストーリーはフィクションも交えながら最後まで一気に引き込まれていきましたが、何と言ってもどの配役もこの人しかいないだろうと思えるくらいハマっていましたし、その俳優さんたちの確かな演技が、まるで見ているわたしたちまでその場にいるかのような気持ちにさせてくれました。
ところでトゥチル兄役の方は分かりましたが、ヨンギョン父は気がつきませんでした‼︎ 先日つけっぱなしのCS の番組で、どこかで聞いた声だなぁと思って見たら、殺人者の詩の教室の茶髪のおばさん役の方が、大学の教授か講師みたいな役をされていました。あのガニ股で大声で喋る品のないおばさんととても同じ人とは思えませんでしたが、声は一緒でした(笑)ギルさんはもちろんのこと、俳優さんって本当にすごいなぁと思いました。
こういう映画が大ヒットする韓国っていいなぁと思いました。映画が庶民に根付いているんですね。
いえいえ、とんでもない、コメントをありがとうございます。
韓国映画はシネマート心斎橋で観た方が楽しさが倍増する感じはあるのですが、地元で公開される場合、それはそれで有難いので、足を運びやすいです。
まさに、その場にいるような気持ちにさせられたのは、やはり、ソン・ガンホさんの演技力によるものかも知れませんね。共演者それぞれにも見せ場があり、光州事件という背景はありますが、割と楽しく見せてもらいました。
おっしゃっている女優さんは、ファン・ソクチョンさんですね。いろんなドラマでも活躍されています。数年前、どこかの局のドラマ演技賞を観ていたら、プレゼンターで出演していたソクチョンさんが「キム・ナムギルが好き」と叫んでおられました。今から思うと、サリンジャの撮影で共演された後だったようですね。