tvN『名不虚伝(ミョンブルホジョン)』12話

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韓服のナムギルさん、よくお似合いです。




朝鮮。刀で切られたはずのホ・イムが突然に消え、土の上には彼の笠のみが残されています。

「どこだ。どこへ行った?」


「見たか?」「見ました」とユ・ジノと手下。


雨のソウル。車道に落ちたホ・イム。

「戻らねば...」と走ってくる車に向かって走り出すのですが、急停車する車。

「おい、ばかたれ、死にたかったら独りで死ね」と怒鳴る運転席の男。その場に気を失って倒れるホ・イム。


朝鮮。

「この女はどうしますか?」

「放っておけ。放っておいたら息たえる」と兵判。「行くぞ。急ぐんだ」


兵判たちが立ち去ったあと、ヨンギョンの元に駆けつけるユ・ジノたち。

「むすめご、むすめご」と声をかけながら、手元の布で傷口を止血。


ソウルの病院。ストレッチャーで運ばれてくるホ・イム。

「どうしましたか?」

「道路で倒れていたのですが、自殺しようとしたようです」と救急隊員。


「患者さん、気がつきましたか?」という医師の声に起き上がろうとするホ・イム。

「落ち着いて」

「ナイフをくだされ」

自分で医療トレイからメスを取ろうとして、医療スタッフに押しとどめられます。

「戻らねば...放してくれ...


朝鮮。

「そこまでだ」とホ・ジュンの手の者がマッケとともに現れます。

「何者だ?」とジノ。

「医員さまがお待ちだ。お連れする」

「私が医員だ。治療は私がする」

刀を抜くジノの手下。応戦するホ・ジュンの手の者。


ERに駆けつけてきたユ・ジェハ。ホ・イムが寝ているベッドの傍へ。

「電話でお話した方ですか? 運ばれてきてからすぐに気がついたのですが、死ぬと言って騒ぐので鎮痛剤を打ちました」と看護師。

「他に誰もいませんでしたか? 女性はいませんでしたか?」

「いえ、一人だったみたいです。そうだ、保護者とおっしゃる方が来られるそうです」

「保護者ですか?」

「ええ、この方の携帯に出たものですから。院長と呼ばれていたみたいですが」

「ハラボジ」

ベッドの周囲のカーテンを閉め切り、ホ・イムを揺り起こすジェハ。

「おい、おい。ヌナはどこだ。なんで、あんた一人なんだ?」

起き上がろうとするホ・イムですが、両手両足を包帯で縛られているのに気がつきます。

「あのひとが危うい」

「どういうことだ。ヌナがどうして?」

「ほどいてくれ。戻らねば」

「それはどこだ? 俺が行く」

「頼む。ほどいてくれ。あのひとが危ういのだ。頼む。私が戻らねば」

「帰ってきたらちゃんと説明しろ。ヌナを必ず連れて帰れ」と包帯を切ってやるジェハ。

「礼を言う。(腰から鍼筒をとり、その中の一番長い鍼へ)頼むぞ。あそこまで連れて行ってくれ」と心臓に鍼を突き立て苦しむホ・イムを驚愕の眼で見るジェハ。

入れ替わるようにマ院長が到着したときにはホ・イムの姿は消えていたのです。


朝鮮に戻ったホ・イムは先程の場所に戻りますが、残っているのは、土の上に溜まっている血の塊だけ。

「ヨンギョンさん...誰か見なかったか...ヨンギョンさん。警察...こんなはずは」とどこを探せばいいか、どうすればよいかわからないホ・イムですが。


立派な寝具に横たわっているヨンギョン。眼を覚まし、あたりを見回します。

「あなたは誰? ここはどこ?」

「あたし、おねえさんと会ったことがあるよ」

以前、道でぶつかったことがあるのを思い出すヨンギョン。

「あなただったのね。お名前は?」

「ヨニだよ。ヨニ」

「かわいいね」


ヨンギョンを探し回るホ・イムの前にホ・ジュンの手の者。

「誰だ?」

「一緒にいくところがある」


「身体は大丈夫か?」とホ・ジュン。

「幸いにも止血をしたから血はそんなに失ってはいない。当帰だ」と煎じ薬を手渡します。

「おじさんだったのね。20年前のあの時、あの人と同じように、おじさんも来たんでしょう、わたしの元へ」

「思い出したのか。20年前のあの時、まだ若くして医員になったことで思いあがっていた。救えるはずの少女を救えなかった。私のような者が医員である資格はないと手首を切ったのだ。その瞬間、見知らぬ場所に落ちた。その場所がどこかを知る前に~アッパ、アッパ~と呼びかける少女の切ない泣き声が聞こえてきた。ひと目でわかった。この子の長い人生に傷跡を残すであろうと」


~大丈夫、大丈夫だ~


「子どもの眼は救いを求めているようだった。私が救えなかった少女の眼によく似ていた。そなたは幼かったにもかかわらず、父親の死に責任を感じていた。そんなそなたをどうしても救いたかった。しかし、私が治療したのは半分だけだ。眼を覚ましたとき、そなたはなにも覚えていなかった。

~これは朝鮮語でサダンウォンというんだが、おじさんが、キョンイが泣かないようにあげるのだ~

「自ら記憶を消してしまったそなたを見ると、かえってよかったと思えた。いつか、その記憶に堪えられる年齢になり、その傷を癒すのを助けてくれる人に出会えたなら、再び、記憶が戻ると考えた。私が終えられなかった治療をその者が終えてくれるはずだ。あのとき、そなたを助けて、医員になる道を再び見つけられた。そなたは、その人に出会えたのか?」

「ええ、出会いました、その人に」


ホ・ジュンの屋敷に到着したホ・イム。

「どこにいるのだ。どの部屋だ?」

部屋に入るや、ホ・ジュンには一瞥もくれず、ヨンギョンの前に座るホ・イム。

「大丈夫か? 大丈夫なのか。 すまない。ほんとに、すまない。けれど、こうして生きていてくれてほんとに有難い。大丈夫か」

黙って部屋を出て行くホ・ジュン。

「あなたも苦しかったでしょう」

「二度と、置いて行くことはない、二度と。絶対に。ほんとにすまない。生きていてくれて、ほんとに有難い」涙しながらヨンギョンを抱きしめるホ・イムです。



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屋敷の門の中。

「ホジュンおじさんも旅立たれると聞きました。また、会えますよね」と涙を流しながら深く頭を下げるヨンギョン。

「では、失礼します。マッケをよろしくお願いいたします」とホ・イム。うなづくホ・ジュン。



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二人が立ち去ったのち、外に出てくるマッケ。

「ホ・イム先生が行ってしまわれたら、いつ帰ってこられるんですか? 再び、帰ってこられるんですか?」


回想。

「キョンイの心を癒してくれた礼を言う」

「ヨンギョンさんを治療してくださってありがとうございます。しかし、先生に対する積年の恨みが消えたわけではありません」

「そうだな。われらの間にはまだ問題が残っているな」

「すべて過ぎたことです。ここでの記憶は何も持って行かないつもりです」

「それがそなたの行く道に重荷になるなら、記憶を消すのもいいだろう。できるならば」

「私が自分の意志で戻ってくるとお思いなら、そんな考えはお捨てください」

「今まで同様、すべてはそなたの選択だ。私はただ自分の責務を果たしているだけだ」


「待っているつもりです。待ちます。ヨニのことをなぜおっしゃらなかったのですか? 生きていたと知れば、喜ばれたでしょうに」とマッケ。

「喜んだであろう。しかし、まだ、その時ではないようだ」

「今、ヨニは薬のおかげで持ちこたえていますが、あの子に何かあれば」

「私の薬のせいではない。ヨニもまた待っているのだ。その期待があの子を支えてくれている」


ソウルのシネ病院。ヨンギョンを抱きかかえて入ってくるホ・イム。「他の病院に行けばいいのに、どうしてここなの」とヨンギョン。

「救急患者だ。助けてくれ」と騒ぎ立てるホ・イムの口を手でふさぐヨンギョン。

「刀で切られた。診てくだされ。早く、早く」


治療室。

「どなたですか?」と医師。

「ああ、この女人の保護者である」とホ・イム。

「もしかして、チェ先生のナムチン(カレシ)?」

「いや、まだ~」と嬉し気。

「あれ、これは何ですか?」とヨンギョンの背中を見て驚く医師。

「誰かがふうと古い松の木の樹脂粉末を置いたようだ。止血や感染、傷の治療に効果がある。大したものだ(と憎憎し気に)。やさしく縫っていただけぬか。痛まぬように」

「麻酔をしましたよ」

「しかし、痛むかも知れぬ」

「ちょっと」とヨンギョン。「外に出ててほしいんだけど」

「そういうこと!」と医師。「出てくれませんか」

「保護者がどうして外に出るのだ。静かにしているから、痛くないようにやさしく」



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治療室の窓からヨンギョンの治療をのぞいている胸部外科の面々。

「あの服装はなんだ。時代劇の撮影でもしていたのか」

「あの傷はなんだ」

「警察に通報しなくていいのか」

結局、気にしない方がいいと立ち去ります。


「あ~~」と痛そうな声をあげるヨンギョン。とっさに医師をにらみつけるホ・イム()。ナムギルさん、お笑いの腕をあげてますね。


ヨンギョンの病室。脈をとりながら初めて彼女の脈を診た日のことが思い出されて。

「まさに、この脈だった。この脈があなたに導いてくれたようだ。あなたの脈を診た瞬間にわかったのだ。私と同じ脈を持つ女人だと。私に母の影があるように、あなたのお父上の死による傷があるに違いないと」

「それで始まったのね。同じ傷を持っているから」

「同じ傷を持って成長し、あなたはあなたのような医者になり、私は私のような医者になった」

「いいえ、わたしたち、ただの医者よ。人を治療し、救い、同じ道を行く医者」


「同じ道を行く医者」というフレーズに二人の将来を見てしまいます。同じ道ではあっても共に行くとは限らないからです。ああ、切ない!


そこへ入ってくるヨンギョンの祖父。

「先生」

「こやつめ」とホ・イムの腕をたたくヨ祖父。「心配するなと言いおって。心配をかけないようにしろ。このザマはなんだ」

「落ち着いてくだされ」

「うちの大事な孫になんてことをしてくれる」

「申し訳ありませぬ。面目ないです」

「アイグ~」

「では、お二人でお話を」と部屋を出るホ・イム。


「大丈夫か。大丈夫なのか?」

「おじいちゃん、全部知っていたんでしょう」

「えっ?」

「あの人が誰か、どこから来たのか」

一通の手紙を差し出すヨンギョン。

「それは何だ?」

「ホ・ジュンおじさんからです」

「ええっ? ホ・ジュン」

「おじいちゃん、あの日、あんな言い方をして、ほんとにごめんなさい」


病院の廊下。

「どうして話してくださらなかった?」

「話をしても何も変わらんじゃろ」

「考えてみると、おかしなことです。みんなが私のことを変なやつと思っているときに、漢方医の資格がないのに鍼治療をさせてくれました」

「やりたがっていた者にやらせたまで」

「最初にどうしてわかったのですか」

「その鍼筒だ。20年前もその鍼筒を持っている者がもうひとりいた」

20年前? ホ、ホ・ジュン先生も鍼筒を持ってここに?」

「でなければ、ここには来られなかったはずだ」

「先生、これは何ですか。どうやって私の元へ?」

「なんでわしに聞くのだ、おまえが解く宿題を。世の中には、人間の知恵ではわからんことがある。理由のわからないことが生じるものだ。時間をかけて見守っていればわかるようになるさ。ある日とんでもないことが起こっても偶然ではない。みんな、避けられない理由があるものだ。途中まで来たようだな。おのれの宿題もわかったようだし、自分でやれ。おまえ、二度とうちの孫を連れて行くな。行くなら、一人で行け」

一礼をして見送るホ・イムです。鍼筒を見て、何か、感じた様子。



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ホ・ジュンからの手紙を読むヨンギョン祖父。

「チョンスル兄上、お変わりありませんか。ホ・ジュンです。天から大きな贈りものが送られてきたというのか、キョンイを見ていると、ともに兄上にも会っているようで嬉しく存じました。私が去る前に兄上にお話したことを覚えていますか。もう、心配なさることはありませぬ。うちのキョンイは強い子ですから、きっと打ち克ってくれます」


「だから二人が出会ったんだな。それは、有難くも幸いなことだが、うちのキョンイ、その時がきても、ちゃんと持ちこたえることができるか」


またも、二人の将来を示唆するような「その時がきても」という言葉に過剰反応してしまいます。


翌朝。ヨンギョンの病室。抱き合って眠っているヨンギョンとホ・イム。入ってきたチャン看護師が驚きのあまりカルテを落とす音で目覚めるヨンギョン。床に蹴っ飛ばされるホ・イム()

「どこに寝てるのよ」

「昨夜、そばに来てくれと言ったではないか」

「え、わたしがいつ。先生、わたし、そんなことは言いませんから」

(韓国の医療ドラマでは、ベテラン看護師は先生と呼ばれているように思います)

「寒いから抱いてと」となおも言うホ・イムの口をふさぐヨンギョン。

たえられない思いで出て行くチョン看護師()



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食事の時間。

「さあ、食べて」とヨンギョン。催促され、スプーンのご飯の上におかずをのせてやるホ・イムですが、逆にすすめられると、「いいから」と遠慮しながらパクっとたべるというパターンです()



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ホ・イムに甘えまくるヨンギョンがカワイイですが、迷惑を被っているのはチョン看護師です。


ヨンギョンの脚をさすっているホ・イム。

「ちょっと。ガムタッチみたいにくっついてないで、行きなさいよ」

「ガムタッチなんて存ぜぬ」(続いて、ダジャレを言っているように聞こえるのですが、聴き取れません。日本語字幕をお待ちください)

「出勤しなくていいの?」

「辞めろと言ったのはいつのことだ。それに、私のために怪我をしたのだから、すっかり治るまではここにいる。傷を縫うことはできぬが、他のことは全部できる。だから、そんなことは言わないでくだされ」

「そしたら、身体を洗うなり、服も着替えて、睡眠も取って」

「そうしてきたら、また、ガムタッチしてもいいのだな。そしたら、身体を洗って、着替えて、睡眠をとってくるから、ちょっと待っていてくだされ」と喜び勇んで出て行くホ・イムとそれを見ながら幸せそうなヨンギョンです。



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ドラマでも素顔でも、ナムギルさんの笑顔が好き❤️


オフィステルに帰ってきたホ・イム。ヨンギョンの傍にいたハイテンションでシアワセそうな雰囲気とは違い、心身ともに、ひどく疲れている様子です。VIP患者からの贈りものを見ながら、かつて財宝を貯めこんでいた自分の姿、ホ・ジュンやヨンギョン祖父、ヨンギョンの言葉を思い浮かべて、何やら、思うところがある様子。そこに、マ院長から着電。


ユ・ジェハの治療室。祖父のマ院長とホ・ボンタクがVIP患者を往診治療している写真を眺めているところへスーツ姿で訪れるホ・イム。

「ヌナは? どこにいるんですか?」

「今、病院に。ちょっと怪我をしました。昨日のことは礼を言う」

「そちらに礼を言われることではないです」と出て行くジェハ。

彼の机の上の写真に眼をやり、大きなため息をつくホ・イムです。


ヨンギョンの病室。

「ヌナ、大丈夫なのか。怪我はどんな具合だ。ちょっと見せてくれ」

「わたし、大丈夫よ、ジェハ。心配かけたね。ヌナ、ほんとに、大丈夫だから」

「あんなふうに消えてしまって、怪我をして帰ってくるなんて。大丈夫かい?」

「ああ、それ。大したことではないの。尖った木の枝が刺さったのよ。何針か縫ったけど、ほんとに大丈夫だから。ジェハ、ここに座って」とベッドに並んで腰かける二人。

「あの日、あなたが眼にしたことなんだけど~」

「いや、いいんだ、ヌナ。今は何も言うな」

「昨日、あの人を助けてくれたようね。ありがとう」

「急にヌナが遠くに感じられる」

「何の話? あなたは今でも一番親しい弟みたいなもんじゃない」

「弟か。そうなんだな」

「ジェハ」

「どうすればいいのかな。彼も、ヌナも」


廊下で話すホ・イムとマ院長。

「朝鮮へ行ってきたと。なぜだ。まだ、あちらに未練が残っているのか」

「院長もホ・ジュン先生にお会いになったのですか。恵民署医員の先生、院長、そして、ホ・ジュン先生。お三方になにがあったのですか」

「過ぎ去ったことだ。きみには関係ない。われらはビジネスで繋がっている。きみには何でもやってやった。食べること、寝ること、すべてだ。きみの未来までも。それを忘れたのか」

「とんでもない。忘れられるものですか」

「そうこなくちゃ。だから、きみが気に入ってるんだ」


二人の会話を立ち聞きしていたジェハがホ・イムを呼び止めます。

「ちょっと話をしましょう」

「そうしよう」

「(小声でひとりごと)冗談じゃないよ。こんなやつがなんで朝鮮の御医なんだ」

「話とは何ですか」とホ・イム。すれ違うスタッフの女性に手を振る愛想のよさ()

「今の姿が恥ずかしくはないですか」

「ユ先生に対して恥ずかしく思わないといけないのか」

「いつまでここにいるつもりですか。それも他人の名前を使ってまで」

「すでに私を追い出す方法を探しだしたようだが」

「チェ・ヨンギョンさんをどうするつもりですか。どっちみち、あなたは再び去らねばならない人ではないですか」

「それが心配なら、安心してくだされ。そういうことはないので。はは」

廊下の角を直角に曲がって行くホ・イム()


ヨンギョンの病室。見舞いに来ている恵民署漢方医院のジェスクとビョンギ。

「どこのどいつにやられたのか、さっさと言いなさいよ。傷まで残ったら、どうするのよ」とすごい剣幕で息巻くジェスク。そこにやってきたチョン看護師。

「あの、ここは病室です。病院では静かにするってことをご存じないですか。とくに、チェ先生は病室で騒がれるのがお嫌いです」

「ちょっとだけね」とジェスクの前では気弱なヨンギョン。

「知っていますよ、わたしだって看護師ですから。(ビョンギに)でしょう?」

チョン看護師に一目惚れしたかのようなビョンギ。ジェスクが好きだったはずなんですけどね。

「まだ騒ぎ立てるつもりなら、どうかお帰りください」

「そうよ、オンニ。おじいさんが待ってるから、もう帰ったら」

「はい、はい、わかりましたよ、看護師さん。院長が待ってるわ。どこのどいつか、名前をメールで知らせて。じゃあね」

チョン看護師のそばにいたくて、なおもヨンギョンに話しかけるビョンギを引きずっていくジェスク。


ヨンギョンのベッドに腰かけるチョン看護師。

「友達がナムチンになったみたいね」

「えっ?」

「信じて待っていたんでしょう。それで、わかったの?」

「何が?」

「彼のほんとうの姿」

「ええ、わかったわ、すべて」と恥ずかしそうなヨンギョン。


病院の庭を歩いているジェスクとビョンギ。チョン看護師をじっと見ていたねと敏感なジェスク。話題を変えるビョンギ。

「最近、院長が胸が苦しそうにしているのをヨンギョンに言わなくてもいいかな」

「院長に知れたら、どうするつもりよ」

「すごく苦しそうだから...


「いらっしゃいませ」と通りがかったホ・イムが腰を低く折ってお辞儀をします。

「だれ~」とビョンギ。

「(小声で)ホ・ボンタクさんよ」

「ヨンギョン先生に会いに来られたようですのに、もっとゆっくりされたら」

「そうですわね」と殊勝なジェスク。

「そうだ、うちの母は元気にやっていますか?」

「ええ、大分、よくなられましたよ」

「よかった。ボンシクはどうしてるかな。この兄を恋しがっているだろうに。あ、お二人はお忙しいでしょうから、また、今度、お会いしましょう」と来た方向へ帰りかけるホ・イムとビョンギ。

「では、お気をつけて」と両脚をそれぞれ真横にぴょんぴょんと伸ばしながら去るホ・イム。ナムギルさんのレパートリーが増えましたね()



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「いやなやつって言ってなかったかい?」

「わたしの見間違いだったのかな?」


二人が話していたチェ院長の具合が気になるホ・イム。ホームレスの治療のときも手が震えていたのを思い出す。

「ああ、心臓」


ヨンギョンの病室。

「頭では忘れているのに、この手が覚えていたみたい。父の心臓が止まった瞬間を。ここ」とホ・イムの胸に手を当てるヨンギョン。

「この手で多くの人の命を救ってきたのではないか。それはお父上からの贈りもの

のはずだ」

「もしかしたら、宿題かも」

ヨンギョンの手の平の真ん中を押しながら

「心臓が疲れている時にここを押すと、気分がよくなる。知っているかい。鍼のツボは」と次々と手や首などのツボを押しながら、「顔にもツボがあるんだ」とひとつひとつのツボの名称を口にしながら押していくホ・イム。ツボの名称を日本語で書いていると来年になりそうですから、ここは映像に語っていただきましょう。動画のタイトルは、「全宇宙が待っていたキム・ナムギルxキム・アジュンのキス」()




作家さん、鍼を用いてのキスシーンとはさすがですね。久しぶりのナムギルさんのキスシーンにドキドキ。キスのあと、ヨンギョンの首筋へ手を這わせるのが私のツボです()


胸部外科に出勤してきたヨンギョン。心配する同僚たちと冗談を交わしながら、「ホ・ジュン先生の治療を受けたから大丈夫。東医宝鑑、ホ・ジュン。信じられないでしょう。やはり、朝鮮の医療は素晴らしいわ」とご機嫌です。愛するホ・イムもホ・ジュン同様の優れた医学者だったということをまだ知らないのですね。


聴診器を眺めながら朝鮮でのホ・イムの言葉を思い浮かべるヨンギョンです。

「こちらの世界に初めて落ちたとき、救急車や病院を見て、ほんとうに驚いた。この世では、病気になれば誰もが治療を受けられる。ここの人々は生涯、医者の顔を見ることもないのだ」などとその時代の医療の限界を語ったホ・イム。


胸に痛みのある救急患者を診察するヨンギョン。


シネ漢方病院。ホ・イムの同僚二人が治療中。入ってくるホ・イム。

「そこではない。痛みのある方の反対に鍼を打つんだと何度も言ったではないか。私が直接やってみよう」と患者のあごのツボを押しながら、ヨンギョンとのキスを連想するホ・イム先生。キスをしていた本人とは別人のようです()。男性患者の表情も笑えます。


片脚が不自由になった男性が家族とともに退院していくのを見送るヨンギョン。その眼の前を車に乗って出かけて行くホ・イム。

「そんなはずはないわ」とすっかり彼を信頼しているようです。


救急車がサイレンを流しながら入ってきますが、以前のような症状はもはや消えてしまったヨンギョンです。

「もしかして、胸部外科?」

「ええ、交通事故ですか?」

「前もって言っておきますが、大動脈解離のある患者です」

「カルテはありますか?」

「運転中に事故に遭って、ハンドルで胸を強打したんです。CTを見ると、上行大動脈が破裂していました。

「大動脈解離の患者」とカン医師。

「教授は何て?」

「とりあえず、受け入れろって」

「手術は誰がするの?」

「まだ、わからない」


カンファレンス。回復する見込みのない患者のため、手術を押しつけ合う教授たち。


廊下で待つ患者の家族と付き添いの医師。

「この病院で3つ目です。お願いできないですか」

容態や年齢を考慮すると手術の成功は難しいと説明するカン医師。


長年、自分たちのために働き、10年間積み立てをしてやっと母と旅行に出かけたところだったとヨンギョンに懇願する患者の娘。黙って、その場を立ち去るヨンギョン。追ってくるカン医師。


ファン教授とイ教授をつかまえ、手術をしてくれるよう説得を試みるヨンギョン。なんだかんだと承諾しない二人の教授。細かいやり取りは省略します。


「わたしが手術をします。許可してください」と業を煮やしたヨンギョン。

「そんなに自信があるのか」と嫌味を言うイ教授。

「違います。ただ、医者として、全力を尽くしたいだけです」

「まだ傷も治ってないというのに、5時間も6時間もかかる手術をやれるわけがないだろ」とファン教授。


「どうしてダメなんですか。ここには、医者もいれば、薬も設備もあります。ないものはないんです」

この台詞には泣かされました。朝鮮では医者に診てもらう機会すらなく死んで行く民がほとんどという実情をホ・イムから聞かされていたヨンギョンだったからです。

「家族の承諾を得て、手術にかかります」と否応もなく行ってしまうヨンギョン。


手術室。イ教授が激怒して、ちゃんと指導しなかったのかとファン教授を責めていた。自信はあるのかと同僚のカン医師。

「どっちが、手術、教授? 手術なら全力を尽くすし、教授なら、あとで言われるとおりにするだけ」


手術の助手は後輩のキム・ミンジェ。彼にとっては初めて取り組む難しい手術とあって不安な様子。

「わたしも緊張してるけど、がんばろう」と声をかけるヨンギョン。


流通業界を牛耳るというミン会長の屋敷前。

「どこが悪いんですか?」とホ・イム。

「別にどこも。きみの評判を聞いて、ちょっと診てもらいたいそうだ」とマ会長。


応接室に置かれている高価な漢方薬の数々。

「これも腐ってる。食べるよりも捨てる方が多いんだから。もったいない」と朝鮮人参を選別しているお手伝いたちの会話を聞き、朝鮮でヨンギョンと交わした話を思い出すホ・イム。

~そちらには朝鮮人参はたくさんあるのか?~

~朝鮮人参? ええ。どうして?~

~それがあれば、兵士たちが脱水状態になっても助かるんだが~

当然のことですが、朝鮮のことが頭から離れないようです。ああ、結末は?


お手伝いさんの一人が咳き込んでいるのが気になるホ・イム。


約束の時間に遅れて現れたミン会長に「お若いですな」とお世辞を言うマ院長。

「秘訣をお見せしよう」とヒキガエルを食べたヘビが漬け込んである瓶を手に取る会長。

「精力は男の希望ですからな」と笑う二人に白目を向いているホ・イム()

「これはきみの給料の23年分もするんだ。気をつけなさい。あのお茶を出して」と指図する会長。

「これはオットセイの〇〇を乾燥させて沸かしたお茶だ」と説明。会長は私どもよりもよくご存じです。勉強させてもらいますとおもねる院長。

「漢方医からは100歳まで生きると言われておる~」と喋り続ける会長へ

「静かに! (声のトーンを落として)脈を診ていますので邪魔になります」と一喝するホ・イムの役者ぶりが見事です。

「ああ、これはどうしたものか。ちょっとお待ちを」とヒキガエルを食べたヘビが漬けられている瓶を取り上げ、中身を流しに捨てるホ・イム。

突然の出来事にうろたえる会長と院長()


開始から5時間を経過した手術室では、もうろうとしているミンジェを一喝するヨンギョン。


「いくら高価な薬でも、身体に合わねば毒です。ヘビが食べる前にヒキガエルには毒素が多いのです。会長のように血圧の高い方には毒となります。しかし、養気が必要な御婦人方にはよい薬です」とお茶とヘビ酒をお手伝いさんにそれぞれ手渡すホ・イムです。

「おい、いくらすると思ってるんだ」と慌てる会長。

「それに、会長のように養気に溢れた方には無用です。さあ、会長がお捨てになる前にいただいてくださいよ」とお手伝いさんたちをけしかけるホ・イム。

「出て行け~」と倒れそうになる会長を別室へ連れて行く院長。


「私が脈を診てもいいですか?」と咳をしているお手伝いさんに声をかけるホ・イム。

風邪だと思って風邪薬を飲んでいたという話を聞き、「肺に不調があるので、鍼を打ってもいいか」と許可を求めるのです。


会長宅前に往診用のリュックを捨て、吹っ切れた様子のホ・イムです。


一方、手術は終えたヨンギョンは、さすがに痛む背中に手をあてながら、それ以上に、手術の成功が嬉しいらしく、久しぶりの雄たけびダンスに興じます。早速知らせたいのは朝鮮男。電話をしますが、彼が出ないので直接ホ・ボンタクの治療室へと走るヨンギョン。それを見かけるジェハ。

ロックされているボンタクの治療室を窓からのぞいているヨンギョンに声をかけます。

「ヌナ」

「あー、ジェハ」

「ホ・ボンタクさんに会いにきたみたいだね」

「ちょっと話があってね。帰ったみたいね」

「午後はいなかったよ、彼」

「そうなのね」

「ヌナ」

「ン?」

「彼のことをわかろうとしているところと言っていただろ。もう、全部、わかったのか?」

「うん、わかった」

「いや、ヌナはわかってないよ」

「えっ?」

「彼が何者でどんな人物なのか、ヌナはわかってないよ」

「どういうこと?」

「彼は、いつか、帰ってしまう人間だ。いや、帰るべき人間なんだ」


マ院長室。院長からの電話に出ないホ・イム。

「電話にも出ないで、一体どこへ行った?」と、机の上に置かれた「辞職届」を手に取る院長。


自宅のパソコンで何かを知って沈み込むヨンギョン。


ホ・イムのオフィステルへ急いで駆けつけてきたマ会長。財布や携帯、マ院長から与えられたすべてがそのままに。


恵民署漢方医院。

「ごめん。だれかいないか」と大声のホ・イム。

「気でも狂ったか」とヨンギョン祖父が門を開けると~

「先生、私、参りました」とホ・イム。「では、お二人でお話ください」と中に入っていく。その後ろには、いつかのタクシー運転手。

「前も来ましたので、そんなにはかかっていません。カードで支払いをされますね」


「ただいま~」とジェスクとビョングに挨拶するホ・イム。家の中から現れたヨンギョンへ満面の笑顔で手を振りながら「ただいま。戻ってきた」

「おい、おまえ、タクシー代は?」とヨ祖父。



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黒ホ・ボンタクから脱却し、ヨンギョンの元へ帰って来たホ・イムですが、彼がどういう人物かを知ったヨンギョンにとって、もはや、手放しで喜んではいられない二人の仲なのです。



上に書きだしている台詞はそういう意味のことを話しているということでご理解ください。場面によっては、大きく端折っています。間違い、勘違い等は、どうかご寛容にお願いいたします。



別れ別れにならざるを得ないとしても、せめて、しばらくは一緒に暮らさせてあげたい。それが返ってつらく感じられるかどうかは、人それぞれです。若い頃の私なら、この時点で別れを選んだと思います。でも、いまなら、違う選択をするでしょう。いえ、私のことではなく、歴史上、鍼治療の最高峰と言われているホ・イム先生の将来を考えるとヨンギョンに残されている選択肢は限られてきます。さあ、どうする、ご両人?

泣いても笑っても、あと4話。


写真の出処は、『名不虚伝』NaverPost, Youtubecaptures


Commented by ホタル at 2017-09-20 02:42 x
おまさ様、こんばんは。早速12話のあらすじをあげていただき、ありがとうございました。やはり、おまさ様の文章は日本語として美しくわかりやすいです。おまさ様の文を読ませていただいて、いろいろな伏線が張られていることがわかりました。二人の微笑ましいシーンに幸せな気持ちがこみ上げてきたのもつかの間、悲しいエンディングが見えてきた気がします。裕福でなくても互いを思いやり、共に生きるささやかな日常を大切にしている二人が別れ別れになるのはワンデイと通じるところです。へ思い出だけが残るのは哀しみが増すとも思いますが、おまさ様同様、別れざるを得ない運命ならせめてもうしばらく一緒にいさせてあげたいし、無邪気に笑うホ・イムには少しの間でも哀しい運命を知らせないであげたいです。
Commented by しばいぬ at 2017-09-20 08:36 x
おまさぼうさま
いつも丁寧な翻訳、大変ありがたいです。きっとたくさんの方がこのブログに幸せをもらってると思います。
特におはまぼうさまの見解も入っているところが、文章に命をそそいでいる気がして、読んでいて気持ちがいいです。このドラマ、おまさぼうさまの翻訳を見てからもう一度見ると全然違ったものに見えます。とても楽しいです。何度でも味わえます。ここまで書き上げると大変な労力かと思われます、どうかご自愛ください。感謝申し上げます。
Commented by noriko at 2017-09-20 12:12 x
おまさぼうさま

おまさぼうさん、筆がのってますね!12話、格別に面白かったです(≧∀≦) ワクワクします、ほんとうに。

ホジュンやヨンギョン祖父のセリフは、大事なキーワードをたくさん含んでるのに聞き取りにくくて、本当に助かりました。これからまだいくつもヤマがありそうですね。

でもホント、ナムギルさん、コメディ演技の腕を上げましたよねー☆ 何の違和感もなく笑えるし、ガムタッチシーンは子犬のような可愛さで(笑)
痩せていっているのは心配ですが、演技は波に乗っている気がします。

キスシーンは相変わらずエロく美しい。どこで練習してるのかと思いますね(^_-) 私は動く喉仏がツボでした(笑)

あと2週…おまさぼうさんも目を守りながら、よろしくお願いしますm(_ _)m
Commented by omasa-beu at 2017-09-20 20:42
ホタルさま、こんばんは。

こちらこそ、過分なコメントをいただき、ありがとうございます。あと4話、でも、まだ4話ありますから、二人のラブラインをここで切ったりしないで、希望をつなぐ脚本をお願いしたいです。
ホ・イムの笑顔はギルペン、いえ、名不虚伝を愛する視聴者のシアワセでもありますから、その辺は十分に考慮していただきたいです。たかがドラマ、されどドラマですからね。
Commented by omasa-beu at 2017-09-20 20:49
しばいぬさま、こんばんは。

コメントをありがとうございます。そんな風に言っていただくと、私自身がシアワセを感じます。韓国語がもっと分かれば、そんなに時間もかからないし、もっと正確なあらすじをアップできるのにと、ご訪問くださっている方に対して、逆に申し訳ない気持ちです。こうして、台詞を追っていると、ただ、観てるだけではわからない部分まで感じとることもあるので、私自身にとってもいい経験をさせてもらっています。
Commented by omasa-beu at 2017-09-20 20:57
norikoさま、こんばんは。

オモ、そんな風に見えていたら有難いことです。ほんとに、繰り返して観たいシーンばかりです。youtubeもinstagramもキスシーンの視聴回数がすごいですね。そのうちの何十回は私ですが(笑)
おっしゃるとおり、どこで練習しているんだか。映画やドラマでは無頼漢以来ですけど、やっぱり、時々は練習しませんとね(笑)。喉仏、わたしもグーです。
Commented by omasa-beu at 2017-09-20 21:08
kurikuriさま、こんばんは。

ありがとうございます。間違いはあると思うのですが、こうして書き起こしてみて初めて見えてくるものがありますね。
「シカゴタイプライター」は一話だけでリタイアしましたけど、ハッピーエンドでしたか。名不虚伝は、ホ・イムもヨンギョンも、医師としての信念がありますから、その辺が単なるラブストーリーとは一線を画すところです。本文にも書いていますが、ヨンギョンの「医師も設備も薬もあるのに、なぜ、手術ができないのか」と訴える言葉には、アジュンさんの演技に圧倒されて、ほんとうに感動しました。16話まで完走できるよう、こちらこそ、伴走をよろしくお願いいたします。
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by omasa-beu | 2017-09-20 00:36 | 名不虚伝(ミョンブルホジョン) | Comments(7)

♪♪Kim Nam Gil Forever♪♪ 韓国の俳優キム・ナムギルさんが好きです☆ドラマ『名不虚伝(ミョンブルホジョン)』MNETにて放送中!!


by omasa-beu
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