お天道さまに申し訳が立たない!

新しい職場にいた。先輩たちに挨拶をし、必死で彼女達の名前を覚えようとしていた。転職に慣れているとはいえ、やはり緊張感があった。どんな仕事をすればいいのかわからない。もう夕方の6時半になっているのに、どう言って先に帰ればいいのかわからない。

最近、履歴書を書いていない。どっちみち採用してもらえないという悲観が先にある。だが、働きたいという気持ちがなくなったわけではない。

祖母は78歳を前にして胃がんで亡くなった。その1年前の7月のある日、エアコンのない暑い部屋でミシンを踏んでいて倒れた。「ソボ ニュウイン」という電報を東京で受け取った私は泣きながら近くの公衆電話に急いだ。

祖母はいつも母に代筆をさせて便りをよこしていたが、一度だけ自筆の葉書をくれた。一字一字一所懸命にえんぴつで書かれた下手な字は私を叱咤していた。長い間、この葉書をお守りにしていた。祖母が逝き、葉書もどっかへ行き、私は寄るべなき身に感じられた。

あの頃も今も、私はただ行き暮れるだけ。働き者で、何ものにも臆することのなかった祖母はあの世で私の仕事を探していると思う。当分は夢のなかで働くか。
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by omasa-beu | 2006-07-04 00:44 | 日々のこと | Comments(0)

終活しなくちゃと思いながら毎日をだらしなく送っている団塊の世代です。写真は、ドラマ『子連れ狼』(北大路欣也さん版)の大五郎(小林翼さん)。私の癒しです。スカパー「時代劇専門チャンネル」のTV画面から撮影。問題でしたらお知らせください。


by omasa-beu
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