沙羅双樹の寺

時折小雨降る午後、妙心寺境内の塔頭、東林院にて沙羅双樹の花を見物。普段は非公開。私は初めての訪問です。妙心寺までは片道30分のウォーキング。

いただいた小冊子によると、「沙羅双樹は、お釈迦さまが入定された時、いっせいに花開き、その死を悲しんだといわれ、仏教とゆかりの深い名木」ということです。インドと日本の沙羅双樹は種類が異なり、日本では夏椿と呼ばれる白い花を沙羅双樹と呼んでいるようです。朝方に開き、夕べに散ってしまうという沙羅双樹の儚さは人生にたとえられるものかも知れません。『平家物語』の冒頭でもうたわれていますが、そういう無常を表すたとえだったのですね。おそらく、古語の時間に習ったと思われますが、脳細胞からはすっかり消え失せていました。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

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咲ききって後、存在を示す沙羅双樹の花びらたち

拝観料の1600円は高いですが、お坊さんのトークが聴けて、お薄に生菓子と干菓子つき。何より、沙羅双樹を管理するための費用と考えればそんなものでしょうか。生菓子の栗餡、とても美味しかったです。ちょっとばかしユーウツなる日々を送っているせいか、普段なら、聞き流してしまいそうなお坊さんのお話にも考えさせられました。

東林院の<沙羅の花を愛でる会>についてはこちら

沙羅双樹/사라쌍수(サラッサンス)/paired sal trees
Commented by あやちゅん at 2015-06-19 23:26 x
おまさぼう様 こんばんは!
素敵な記事・お写真を(貴重な)ありがとうございます!!

平家物語に出会ったのは中学生の時…妙に心に残る文章でした。ソレカラ今まで生きて来て ツライ事があった時など 『諸行無常の響きあり…』と つい思い出し…口にしている事がありました…。

沙羅双樹の花の色ってどんな色なのかな!?と思っていたのですが おまさぼう様に教えて頂き有り難く思っています♪
さわやかな感じの色なのですね!!
Commented by connie at 2015-06-20 06:53 x
おはようございます(*^^*)

今、小学生の息子が竹取物語を一生懸命覚えています。
平家物語、徒然草、枕草子など、昔、冒頭部分を暗記しましたね〜
沙羅双樹ってもっとごつい花というか、木自体がごついかと勝手に想像していましたが、かわいいお花ですね(o^^o)
Commented by noriko at 2015-06-20 10:53 x
今朝の新聞の京都欄に沙羅双樹の寺のことが写真入りで載っていました。背景に写る参拝者のお顔までは見えないのですが、どの方もおまさぼうさんに見えて仕方がない(笑)
丸襟、黒のお召し物じゃないですよね?

老後に京都に移住する人が増えているというレポートをTVで見ました。コンパクトな街に大抵のものが揃っていて、しかも歩いて訪ねられる場所に事欠かないのが人気の理由なんだそうです。いやぁホントだなと、沙羅双樹の花(の写真(*´-`))を見て思いました。いい場所がまだまだたくさんありますね◎
Commented by すみれ at 2015-06-20 15:12 x

今日は、時々 ゴロゴロさまが鳴る 雨の土曜日です。

1枚目の写真 好きです
苔に散る花
美しいな〜の前に、涙が・・

いつも 言ってますが、京に住む方が、本当に羨ましい。
住んでいるからといって、全て行けるわけではありませんが、時間的に可能なチャンスがたくさん ! !
お薄に 生菓子と干菓子 プラス お坊さまのトーク
妙に気取ったcaféより断然安いですよ。
この比較 沙羅双樹 に、失礼ですよね^^;
Commented by omasa-beu at 2015-06-20 18:20
あやちゅんさま、アンニョン!
ご覧いただき、ありがとうございます。
諸行無常の・・まさに、あやちゅんさまにとって、座右の銘ですね。わたしは、「無常」という言葉の意味が好きです。「今の仕合わせ」は一時的かも知れないと身を引き締めたり、反対に、「今の不運」も一時的だと思えば救われるからです。もっとも、なかなか、そうは行かないのが人生みたいです(苦笑)
Commented by omasa-beu at 2015-06-20 18:24
connieさま
古典を暗記したり、音読したりって、子どもの頃ほど、身につきそうですね。
ええ、白くかわいい花です。沙羅双樹はエキゾチックな響きがしますが、夏椿というと、いかにも日本的です。木の肌が、写真のとおり、独特です。
Commented by omasa-beu at 2015-06-20 18:30
norikoさま
わたしも京都新聞の記事を見て出かけたのですが、うちらの地域では、公開が始まった15日に掲載されていました。その写真は、さすがに新聞社。庭側から撮影されたもので、われら一般には撮れないアングルです。残念ながら(笑)、昨日は新聞社は来ていませんでした。

ええ、京都は、時間があり、元気でさえあれば、どこでも歩いて行けますもんね。短期間暮らしたボストンもそうでしたけど、元気なうちに、もっともっと、わが町を満喫しませんとね。
Commented by omasa-beu at 2015-06-20 18:39
すみれさま
こちらはお天気でしたが、今日は散歩はやめて、めずらしく読書していました(笑)。眼が疲れるので、最近、本を読まなくなってます。

わたしも1枚目が気に入っています(自画自賛)。ちょっと、絵画のような色調に見えませんか(笑)。妙心寺は好きな空間ですけど、今は、境内の工事をしているので、雰囲気はいまいちです。でも、お寺や神社って、なんで好きなんだろうと不思議になります。京都に生まれて幸いです。

たしかに、気取ったカフェよりお得感があるかも。和菓子好きの妹にも生菓子を買って帰ってあげたかったけど、一週間ほど前から腹が立つことがあって最小限しか話してないので、パスしました。わたし、ほんとに、料簡が狭い!
Commented by ukosan at 2015-06-21 20:14 x
こんばんは。
なんだかいつも、時差のあるコメントで申し訳ありません(笑)
今朝の情報番組で、視聴者の方からの、たぶんこちらの沙羅双樹の散り敷かれたお庭の写真が出ていましたよ。
でもおまさぼうさまの写真の方が全然素敵でした。
京都には、夏ばかり行っていましたが、昨年初めて秋にも訪れ、紅葉の美しさに感動。桜や新緑の季節にも来たいなあなどと、欲張りになりましたが、やはり住むのが一番。
以前にも書きましたが、リタイアしたら、1ヶ月くらいマンスリーマンションかなんかを借りて、住んでみたいです。京都にお住まいって、本当に羨ましい。
家を新築した時、適当に庭木を植えてくれとお願いしたところ(笑)、そのうちの一本がしゃらの木、別名を夏椿というと教えてもらいました。ですが、家事全般がかなり得意なため(笑)、手入れ不足で虫がついたのか、枯らしてしまいました。
なんと、それが沙羅双樹だったなんて。もっと大切にすれば良かった(笑)
こんな私では、京都に住むなんて贅沢でしょうか?(笑)
Commented by omasa-beu at 2015-06-22 00:20
ukosanさま
コメントは、いつくださっても嬉しいもんです。ありがとうございます。

東京で暮らした後、家の事情から京都に戻ろうと決心するのには時間がかかりました。最終的に心が決まったのは、市役所の前あたりから東山を見やった時でした。こんなきれいな街に生まれたんやなと改めて感じたのです。もう30年以上も前の話です。

そういう私も、今は、ロトが当たれば、ハワイで一か月ほど暮らしたいとか、ソウルに短期留学しようとか、外に出ることばかりを夢見ています。中途半端な年齢で職を失ったので、結局、リタイアという意識のないまま、その日暮らしになっている自分を反省する日々です。

沙羅双樹がうっこちゃんちのお庭に咲くのを見たかったな。わたしなんか、植木さえ育てていないし、せいぜい、切り花を飾るのが精いっぱい。ぜひ、京都にお住みいただき、街を活性化させてください。夜はおつきあいしますよ(笑)
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by omasa-beu | 2015-06-19 20:48 | 日々のこと | Comments(10)

終活しなくちゃと思いながら毎日をだらしなく送っている団塊の世代です。写真は、ドラマ『子連れ狼』(北大路欣也さん版)の大五郎(小林翼さん)。私の癒しです。スカパー「時代劇専門チャンネル」のTV画面から撮影。問題でしたらお知らせください。


by omasa-beu
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