おまさぼう春夏秋冬

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『ぼくに炎の戦車を』観劇

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二階最前列中央の席に着くやいなや、「食べ物の匂いがする」という連れの指摘。舞台ではすでに男寺党(ナムサダン)という放浪芸人集団の男たちがチヂミを焼いている最中だった。上演前から、幕はあがっていて、彼らはずっとそこで暮らしているかのようだった。

開演とともに、男寺党の芸人たちが太鼓や鐘の演奏(サムルノリ)をしながら客席に登場。白の上下にブルーのチョッキ、赤の帯に黄色のタスキという旅芸人の衣装がすっきりとして印象的だ。なぜだろう、サムルノリの音が聞こえてきただけで、思わず胸の奥から熱いものが湧き上がってくる。男寺党の金大石(キム・ウンスさん、『赤と黒』のクァク班長)が1階客席を回っておひねりを集めていたが、2階までは来ていただけなくて残念!

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キム・ウンスさんへ贈られた花 (無断でUPしてますので、問題があれば削除します)

物語の時代は、日韓併合から10年ほど経過した朝鮮。
当時の朝鮮では雑器にすぎなかった白磁や朝鮮の文化を愛する日本の青年、直輝(草なぎ剛)とナムサダンの(チャ・スンウォン)との友情を主軸に描かれるところは、以前観た映画『白磁の人』での日本と朝鮮の青年たちの友情に重なる部分があるが、本作では、朝鮮でも蔑まれていたという放浪芸人たちを取り上げているのが面白い。

舞台を観てもあまり涙しない私が泣かされたのは、ナムサダンの若き芸人が、土地の娘を腹ましたという濡れ衣を着せられ、袋叩きにされたうえ、掟に従って追放される場面だった。捨てないでくれという彼の悲痛な叫びには、韓国語特有の哀切さが感じられて、私はその響きに弱い。

作・演出の鄭 義信(チョン・ウィシン)さんが関西出身者らしく、随所に笑いのシーンを散りばめているが、笑いを取ろうとする作為がわざとらしいというか、しつこく感じられる。しかし、鄭さん自身、「いつもながらの、くどいギャグもありますよぉ」と語っているので(パンフレット: 草なぎ剛とチャ・スンウォンとのスペシャル対談)、確信犯でしょう、もう(笑)

ナムサダンの芸人に扮した俳優たちの実演はもちろん、出演の皆さんひとりひとりがすごい熱演でした(詳しくは公式サイトで)。ただ、スンさま目当ての私としては、もうすこし、主役の直輝とスンウに焦点をあててもらってもよかったかな。ふたりが親友になる過程が物足りないような気がする。

チャ・スンウォンさんは、ドラマ『シティホール』と『最高の愛』しか観たことがなかったが、舞台の上のスンさまは、ドラマで感じたぎらぎらしたイメージではなく、朝鮮の底辺で生きるナムサダンの親方としての抑えた演技が素敵だった。終盤では、実際に綱渡りに挑戦。188㎝の身長と同じくらいの高さの綱の上を見事往復。習得には普通一年かかるところを一月でマスターしたというから、その役者根性に敬服する。 韓国公演では、スンさまを目標としているキム・ナムギルさんにもぜひとも観ていただきたい。

ちなみに、このタイトルは、主人公直輝の好きな18世紀英国の詩人William Blakeの詩の一節からとられている。 闘うことを怯まないと誓う草なぎくんの台詞が聴かせる。

ぼくに炎の戦車を Bring me my chariot of fire!
ぼくは心の闘いをやめはしない。I will not cease from mental fight.

エンディングは、未来へと続く希望を感じさせる気持ちのいい幕切れだった。日韓の俳優たちが一緒に作り上げた芝居。3度のカーテンコールは演じる者、観る者が一体となり感動的だった。いっぱい、いっぱい、拍手し、手を振り、スンウォンさんの投げキッスを受けた夜。10日、梅田芸術劇場 メインホールにて。
by omasa-beu | 2012-12-15 23:29 | 韓国ドラマ/映画・韓国語 | Comments(6)
Commented by すみれ at 2012-12-18 21:49 x
評判の良い舞台ですね ! !
おまさぼうさまの観劇記事に読んで、痒い所に手が届いたようなスッキリ感です(変な表現で ミアネヨ(^^;;)
大都市近郊に住んでいると、観たい催し物に行ける可能性がありすぎて、かえってストレスを感じそうです。
Commented by おまさぼう at 2012-12-19 00:14 x
すみれさま

このお芝居のレポを読むと、みなさん、すごく熱いです☆
それに較べて、私のレポは面白くないなと思いながら書きました(冷汗)。
それでも、すこしはお役に立ったのでしょうか!?

東京に較べれば、観られる芝居は限られていますし、とくに、歌舞伎など、やはり、東京の配役で観たいと思うことが多いですが、それは贅沢というものかも知れませんね。
Commented by ピオニー at 2012-12-19 21:28 x
おまさぼうさま 

こんばんは^^ 

「僕に炎の戦車を」のレポありがとうございます。

男寺党の人達の芸から始まる演出・・・自然に芝居にはいっていくことができました。

食べ物のにおいがしたのですね。私の近くに、サロンパスを貼られた方がいたのか、ず~とそのにおいがしておりました(笑)

わたしも、チャ・スンウォンさんと、キム・ウンスさん目当て^^
スンウォンさんもうちょっと、出演場面があってもよかったですよね。

それと、主役の直輝とスンウのふたりが親友になる過程が確かに物足りなかったです。

カーテンコールは感動しました。

もう一度、じっくり観て見たい気がします。

それと、韓国語を勉強しなければとあらためて認識いたしました(笑)
Commented by ぎんこ at 2012-12-19 22:29 x
おまさぼうさま

舞台レポ嬉しく拝読しました。

ナムナムがスンさんを目標にしていたとは初めて知りました。
実はナムナム留守の間、「最高の愛」を見てスンさんファンになりました。
舞台東京で数回観ましたが、
おまさぼうさんのおっしゃる通り、はじめはコテコテ関西系?(スミマセン)のしつこさが感られましたし、一方的なとらえ方とも思えました。
しかし、韓国の方たちの思い、心情はこうなのかということが、理解できましたし、この時期、重い々テーマを、笑いと涙で浄化された気がします。鄭マジックにはまりました?

スンさんはドラマとは全く違った魅力を見せてくれました。
映画「約束」のキャラと通ずるものがありました。

草薙君、広末さん、青木さん、韓国の俳優さんも素晴しかったし、
香川さんは、やっぱり当代きっての役者さんです。

将来再演のときには、主役二人のやり取りはもっと濃密になるのではないかと期待しています。
ナムサダンの南星役のキムヒョンギュ君、セリフなしの処で泣かせる。スゴイ20歳です。
アッ、熱くなりすみません。


Commented by おまさぼう at 2012-12-19 22:57 x
ピオニーさま

ええ、もう、理屈でなく、心が浮き立ちましたものね。

スンウォンさん目当ての方、多かったと思いますよ。もちろん、スンさまにしてみたら、綱渡りだけでも、すごいプレッシャーだったと思いますし、それも初舞台、ちょうどいい具合だったのかも知れませんね。

私もやはりもう一度観たいです。お芝居だし、再演されるごとによくなっていくといいですね。そして、スンさまの役にいろんな韓国の俳優さんが出演。ゆくゆくは、うりナムナム♡毎日通って、破産してしまいますね。
Commented by おまさぼう at 2012-12-19 23:11 x
ぎんこさま

熱いコメント、歓迎です♡私のレポは熱さが足りないですね。
俳優さんたちの名前すら、写真でカバーしてしまいました。

そうですね。脚本を練り直してもらって、再演を期待したいです☆

『約束』・・・予告編を観てきました。こういう役も演じていたのですね。いずれ、レンタルしてみます。

ナムナムは、シリアスからコメディまで演じられる俳優として、よくスンさまの名前をあげていました。
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♪ ♪ Kim Nam Gil Forever ♪ ♪  韓国の俳優キム・ナムギルさんが好きです☆映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』公開中!!


by omasa-beu
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