転載『勝谷誠彦のXXな日々。』3月15日号

下記はコラムニスト勝谷誠彦さんの有料配信メールからの転載である。東日本大震災という日本の危機に際し、臨時に転載を許可されたものである。大手のメディアとは異なる勝谷さんからの発信を紹介したい。決して勝谷氏有料メールの宣伝ではありませぬ。(下線は私の考えによるものです)

<これは勝谷誠彦が個人で配信している有料配信メールです。非常時とあって配信元の許可を得て転送します。あくまでも個人が得ている情報からの推察ですので、内容についてはそれぞれがきちんと吟味して判断してください、という勝谷のメッセージを添えます。なお配信元その他の情報は下記の通り。
 勝谷誠彦HP:http://katsuyamasahiko.jp/
 問合せ:info@katsuyamasahiko.jp
 情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
 発行:株式会社 世論社>

2011年3月15日号。<ヨウ素を含む薬品をむやみに呑むな。現地に一方的にモノを送るな>。

 横の絆と自らの判断とそして義の心で、私たちは自分や愛するものたちの命を、この手でまもらなくてはいけない時が近づいてきているようだ。
 政府も、大マスコミも、東電も、機能不全に陥っているように私には見える。そうした連中が普段見下し、時には嘲笑の対象であった、自衛隊、警察、消防といった方々が、命を的に現場に突っ込んでいっている。文字通りの挺身隊であり、このことを私たちは深く記憶に刻み、あらゆる感謝を捧げるとともにできることを何でもしよう。
 最高指揮官としてもっともやってはいけないことは、敗北の瀬戸際にあって大声を出す、怒鳴る、当たり散らすことである。二百三高地での惨状を前に、乃木希典はただ静かに座り続けた。大東亜戦争でも愚将ほど軍刀を振り回して部下を叱責した。
 かかる国難の時に、こんな愚物が日本国の最高司令官であることを、もう遅いことながらやはり嘆かざるをえない。
 <「撤退あり得ぬ、覚悟決めろ」=東電社員に大声-菅首相>
 http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_199334
 <「あなたたちしかいない。撤退など有り得ない。覚悟を決めてください」。東京電力福島第1原子力発電所の危機的状況が続く中、菅直人首相は15日朝、東京・内幸町の東京電力本社に乗り込み、危機管理対策に全力を挙げるよう東電関係者に強い口調で迫った。  首相は午前5時半すぎに東電本社に到着し、約3時間滞在。首相は「撤退した時には、東電は百パーセントつぶれます」とも強調した。>
 東電の対応は確かに怪しさに満ちている。しかし突っ込んでいくのは現場の方々だ。妻もいれば子もいる人びだ。そして何よりも彼らは日本国民なんですよ、菅直人よ。<「東電は百パーセントつぶれます」>。これは権力の座にある人間が民間の企業に向かって絶対に言ってはいけないことだ。恫喝によって人の命を奪おうというのか。なぜこうした発言を大マスコミが問題にしないのか不思議でならない。
 危地にあってこそ、人は礼儀正しく、誇り高くなくけはいけないのだ。そのことがパニックを防ぎ、最前線の勇士たちを励ますのだ。就任当時はご存じなかったようだが、菅さんは3軍の総司令官でもある。一刻も早くこの男を放逐するのが、最大の安全対策であるのではないかとすら私は思った。

 日本の大マスコミがたれ流す映像を見ていても「何が起きているのかよくわからない」と歯がゆい思いをしておられる方も多いと思う。海外のメディアの方が、命懸けで現場に入り、冷静な映像を流してくれている。
 たとえばこのBBCだ。
  何よりも「愛」がある。被災者への労りがある。プロの私の目から見ても映像的に敢えて言うならば「素晴らしい」。
 確かに顔ぶれを見ていて世界中からジャーナリストの「つわもの」たちがかけつけているとはいえ、おそらく何十倍もの機材や人員を持っている日本の大マスコミになぜこれができないのか。
 少なくとも、デマを防止し、救助活動の背中を支える啓発をすべきではないか。

 どこもやらないので、及ばずながら私からいくつか発言をしておこうと思う。
 まず、いまはまだプロに完全に任せてください。あなたや、あなたにできることは、自らの身の安全を確保し、資源や食糧の節約にくとめることです。
 勝手にモノを被災地に送らないでください。勝手にボランティアと称して現場に行かないでください。
 それらは現場の活動をむしろ阻害することになりかねません。
 必要な時にはちゃんと指示が下ります。その時まで、むしろ元気を温存していてください。
 
 次に原発の事故に関して、健康被害を起こしかねないデマが出回っているので注意を喚起します。 放射能に汚染された時にヨウ素をとるといいという情報がネットなどに出回っています。これは間違いではありませんが、ヨウ素を含んだうがい薬などを呑むといいといデマが流れています。
 これは大変な間違いです。
 http://kodomo-kenkou.com/cretin/info/show/509
 周囲にも教えてあげてください。既に一昨日あたりから、ヨウ素の薬剤の流通はコントロールされているようです。これはいかに早い時点で政府が「ヤバイ」と察知したこという皮肉な証拠でもありますが。
 イザという時にはしかるべき方法で提供されるはず…です。あの馬鹿ども見ていると言い切れないのが辛いけど。素人療法は厳にいましめてください。

 礼儀や誇りということでいえば、大マスコミはもっとおのれの振る舞いに気をつけるべきではないか。
 たとえ地元出身とはいえ、お笑い芸人がスタジオにいる光景は異様だ。
 「いい話」のつもりでも、被災地にあってはかえって人びとの気持ちを傷つけることもあると知るべきである。
 公共広告機構しか入らないのなら、CMもすっぱりとやめてしまえばどうなのか。
 「なくなってわかる絆の大切さ」とかナレーションが流しているから被災地の話かと思ったら「生物多様性の…」と言っているのでリモコンを投げつけたくなった。人が目の前でどんどん亡くなっている時に、何がイヌネコの多様性だ。
 私たちはどんなに心を寄り添わせようと努力しても、被災された方々にはなりきることはできない。そのことを心にとめ、謙虚に、礼儀正しく、振る舞いたいと思う。 激しく打ち続けているうちに、パソコンのキーが一個、外れてしまいました。以前やったところです。キー無しでその下の突起をそっと押しながら、この原稿を書いている。しかし、私は私のやり方で、石にかじりついてでも発信を続ける覚悟である。
Commented by うつつ at 2011-03-16 13:45 x
こんにちわ。おじゃまいたします。
普段、国家や国民という意識が少ない自分ですが、こういうときには考えさせられます。
先日、中国の若者が運営する日本を紹介するサイトについての記事を読みました。
日本の事となると、政治的・歴史的話題が多くなるが、電車に並んで割り込まず乗り込む日本人、信号を守る日本人など、自分の見た日常の日本を紹介したいのだということで、嬉しく思いました。
今回海外から応援のメッセージをいただく中に、『「○○な日本」だけどそんなことは今回は置いておいて、頑張ってほしい!』という主旨のメッセージを見ました。
大変ありがたく感謝したのと同時に、国名の前に修飾語がつかなくなる日を望まずにはいられませんでした。
先日ご紹介いただいたツイートを集めたサイトにあった、被災され、限界にありながら、お互い思いやり、強い精神で立つ日本人が、それを助けてくれるような気がします。
心から感謝いたします。そして頑張っていただきたいです。
Commented by おまさぼう at 2011-03-16 23:46 x
うつつさん、こんばんは。

ご存知のように、3月13日はわれらがナムギルくんの誕生日でしたので、公式ファンカフェでナムギル様宛の手紙を残してまいりました。そして、今回の大惨事のことも書かずにはいられませんでした。もちろん、ナムギルくんも知っているに違いないですけどね。
このブログでも、おめでとうと書きたかったんですけど、その辺、私の余裕のなさです(涙)

ほんとに、今回くらい、世界各地からの応援が日本に与えられたときってなかったのではないでしょうか。国対国ではいろんな問題があるにしろ、日本人というものが信頼されていることの証左のような気がします。

涙が滲むような善意がある一方、悪意もあるのが世の中ですが、今回ばかりは、募金詐欺や避難されている方々からの強奪を働くものがいないことを願っています。

早く被災者の方方に平穏な日々が戻るよう祈るばかりです。不幸にして亡くなられた方はどうか成仏してください。

いつも思うことですが、平和でなければ、私のミーハー暮らしは成立しないのですもの。
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by omasa-beu | 2011-03-15 23:02 | 社会のこと(忘れてはならない) | Comments(2)

終活しなくちゃと思いながら毎日をだらしなく送っている団塊の世代です。写真は、ドラマ『子連れ狼』(北大路欣也さん版)の大五郎(小林翼さん)。私の癒しです。スカパー「時代劇専門チャンネル」のTV画面から撮影。問題でしたらお知らせください。


by omasa-beu
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