大難小難
2011年 03月 13日
家の中には、仏壇のほかに大黒天や鞍馬山の神棚、通り庭にあった台所の流しの上には火の神様(おくどさん)、庭にはお稲荷さんがそれぞれ祀られていました。まさしく八百万の神さまを奉るといったところです。朝夕、それぞれを拝むのですから大変です。こうなると、祖母がほんとうに何を信じていたのかわかりませんが、おそらく、この世の目に見えない大きな何かに対する畏敬の念を持っていたのだと思います。
その祖母が仏壇や神棚の前でつぶやいていたのが、「大難小難」という言葉です。「ダイナンショナン、ダイナンショナン」と言っていたので、最初は何のことかわからなかったものです。
長じて、大難に遭ったとしても小難で収めてくださいと祈っていたことがわかりました。テレビ画面に映しだされる大惨状を見て、自然と「ダイナンショナン、ダイナンショナン」という言葉が口をついて出てきました。
今日は祖母の月命日であることを思い出しました。偉そうなことをいいながら、平常心をなくしていた私です。